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9月米利上げ幅でまちまちのシグナル、地区連銀総裁に温度差

  • 引き続き迅速に動くべきだ、0.75ポイント主張-ブラード総裁
  • ジョージ総裁、政策決定の影響は遅れて表れるため慎重促す

米地区連銀総裁2人が18日、9月の利上げ幅について異なる見解を示した。セントルイス連銀のブラード総裁が0.75ポイントの追加利上げを主張したのに対し、カンザスシティー連銀のジョージ総裁は急激な引き締めにはより慎重な姿勢を促した。

  連邦準備制度のタカ派の代表格の一人であるブラード総裁は米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、「インフレに多大な下押し圧力を加える政策金利の水準に向け、われわれは引き続き迅速に動くべきだ」と発言。「利上げを来年まで長引かせようとする理由が私には分からない」と語った。

  7月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合では2回連続の0.75ポイント利上げが決定され、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは2.25ー2.5%となった。金融当局者らはその後、9月の利上げ幅が0.5ポイントと0.75ポイントのどちらになるかは経済データ次第だと示唆してきた。9月のFOMC会合前に8月の雇用統計と消費者物価指数(CPI)が発表される。

  ブラード総裁とジョージ総裁は共に今年、FOMCの投票権を持つ。ジョージ総裁は長年タカ派の一人とみられていたが、この数カ月はブラード総裁よりもハト派的な発言が目立っている。ジョージ総裁は今月25-27日に開かれるジャクソンホール会合を主催する。

  ジョージ総裁は7月のFOMC決定を支持したものの、6月の会合では政策の不確実性が増すとして0.75ポイントの利上げに反対していた。

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  同総裁は18日、ミズーリ州インディペンデンスで「利上げ継続には強い根拠があると思う。利上げのペースについては同僚と引き続き議論していくことになるが、方向性はかなり明確だ」と説明した。

  その上で、「われわれは多くのことをしてきた。そしてわれわれの政策決定がしばしば遅れて効果を発揮することがある点に注意する必要があると思う。どのように影響しているかについて注視しなければならない」と語った。

  この日、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁はCNNインターナショナルとのインタビューで9月の利上げ幅について、0.5ポイントと0.75ポイントの双方にオープンだと発言。また政策当局者らは来年、利下げへの方向転換を急がないだろうと述べた。

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  一方、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は「現在、われわれにはインフレの問題がある」とし、当局はインフレを「至急」押し下げる必要があると語った。デーリー、カシュカリ両総裁は今年、FOMCの投票権を持たない。

原題:

Fed Officials Offer Mixed Signals on Size of September Rate Hike(抜粋)

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