米個人消費支出、7月は低調な伸びにとどまる-インフレは緩和
Joshua Robinson-
インフレ調整後の実質PCE、前月比0.2%増-6月は横ばい
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PCE総合価格指数は前月比0.1%低下-エネルギー価格下落で
7月の米個人消費支出(PCE)は低調な伸びにとどまった。価格の面では一定の落ち着きが見られたものの、数十年ぶりの高インフレによる影響を受けていることが示唆された。
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米金融当局がインフレ目標の基準値としているPCE総合価格指数は前月比0.1%低下(予想は横ばい)。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)初期以来で初のマイナスとなった。エネルギー価格の著しい下落を一部反映した一方、食品コストは引き続き上昇した。
PCE総合価格指数は前年同月比では6.3%上昇(予想6.4%上昇)。同当局が目標とする2%にはまだほど遠い状況だ。
コア価格指数は前月比0.1%上昇(同0.2%上昇)。前年比では4.6%上昇(同4.7%上昇)と、前月の4.8%上昇から伸びがやや鈍化した。
予想を下回る今回の数字は、米経済の屋台骨である個人消費が従来の想定よりも不安定な地盤で7-9月(第3四半期)をスタートしたことを示唆している。堅調な労働市場や大幅かつ持続的な賃金増加が過去数カ月にわたって消費を支えてきたが、広範なインフレが消費の伸びを抑えている。
ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、イライザ・ウィンガー、アンドルー・ハズビー両氏は「インフレがマイナスになったにもかかわらず、7月の個人消費は予想を下回った。国内総生産(GDP)は過去2四半期連続で減少した後、7-9月(第3四半期)もほとんど回復しないリスクが高まる。米金融当局者はさらなる利上げへの決意を維持する理由として、この統計の雇用者所得に注目する可能性がある」と指摘した。
賃金・給与は0.8%増と、2月以来の大幅な伸びとなった。企業はこうしたコストを消費者に転嫁する傾向があるため、インフレが定着するとの懸念が強まる可能性がある。
貯蓄率は5%で前月から変わらず。2009年以来の低水準にとどまった。
個人所得は前月比0.2%増。市場予想は0.6%増だった。自営業者の所得減少が響いた。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:
US Spending Posts Weak Gain Even as Fed Inflation Gauge Eases(抜粋)