防衛省が5.6兆円の概算要求、過去最大-抜本強化でさらに増も
萩原ゆき-
スタンド・オフ防衛能力を整備、地上発射型は量産開始
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極超音速誘導弾の研究推進、宇宙・サイバー・電磁波対応の強化
防衛省の2023年度予算概算要求額は、過去最大の5兆5947億円となった。防衛力強化に向けて金額を示さない「事項要求」も多数行っており、最終的な予算額はさらに増えそうだ。
政府は、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」で、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の防衛予算が国内総生産(GDP)の2%以上を目指していることを例示した上で、防衛力を5年以内に抜本的に強化する方針を示している。
防衛省は、できるだけ遠くから相手の攻撃を阻止する「スタンド・オフ防衛能力」の整備などを概算要求に盛り込んだ。
防衛省概算要求のポイント
- スタンド・オフ防衛能力
- 「12式地対艦誘導弾能力向上型」(ミサイル)の開発を進め、地上発射型については早期部隊配備のための量産を開始
- 音速の5倍以上で飛行する極超音速誘導弾の研究を推進
- 総合ミサイル防空能力
- 極超音速滑空兵器(HGV)に対応したイージス・システム搭載艦整備に必要な構成品を取得
- 無人で情報収集や攻撃を行う「無人アセット防衛能力」
- 航空機、艦艇、車両の各分野で早期取得や運用開始が必要
- 宇宙、サイバー、電磁波などの「領域横断作戦能力」
- 陸自通信学校の体制を拡充し、サイバー教育のための施設や機材等の整備
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