銚子海保管内、23年49人が海難事故 無謀な行動控えて 安全なレジャー呼びかけ

台風の接近に伴い波が高くなり、遊泳禁止となった九十九里町の片貝海水浴場=2023年8月

 銚子海上保安部は2023年の人身海難事故発生状況をまとめた。49人が海難事故に遭い、このうち29人がマリンレジャーの最中だった。レジャー別ではサーフィン中の事故が最も多く、本格的なマリンレジャーシーズンを前に、同保安部交通課の担当者は「気象・海象情報を入念に確認して、安全に海での遊びを楽しんでほしい」と呼びかけている。

 同保安部(勝浦海上保安署含む)は茨城県神栖市の一部海岸から鴨川市にかけての太平洋海域を管轄している。管内は夏場に多くの海水浴場が開設される他、東京五輪のサーフィン会場になった一宮町の釣ケ崎海岸といったサーフスポットがあり、多くのサーファーが訪れる。

 同保安部によると、23年に管内でマリンレジャー中に海難事故に巻き込まれた29人のうち、サーフィン中が14人で最多だった。遊泳中5人、釣り中4人、磯遊び中が3人と続いた。ボードの上でパドルを使い水上を進むSUP中も1人いた。

 死者・行方不明者は7人で、サーフィン中と釣り中がいずれも3人で、遊泳中は1人だった。死因は溺死が大半を占めた

 サーフィン中に事故に遭った14人の年代を見ると、10人が50代~60代で、6人がサーフィン歴10年以上の人だった。担当者は「サーフィン中の事故は経験年数の多い人に起きる傾向があり、自分の知識や技術を過信せず、無謀な行動は控えてほしい」としている。

 遊泳中の事故は全て7、8月の夏休みシーズンに発生。事故に遭った5人中4人が10代で、海での遊泳経験が少ない人が多く「遊泳能力や自分の体力などを考慮し、安全第一を心がける必要がある」(担当者)という。

 海上保安庁は5月6日までのゴールデンウイークに合わせ、海の安全運動(春の事故ゼロキャンペーン)を展開している。海難事故から身を守るために、ライフジャケットの着用や携帯電話を防水パックに入れて連絡手段を確保することを求めている。他にも、風向きや風速、波の高さなどを提供する「海の安全情報」の利用を呼びかけている。

 担当者は「海では単独での行動は避け、離岸流が発生しやすい突堤周辺には近づかないでほしい」と話している。

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