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近藤真彦がジャニーズ退所を決断した背景に2つの要因『ケジメ』と『世代交代』【記者の目】

2021年5月1日 04時00分

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近藤真彦

近藤真彦

 近藤真彦が4月いっぱいでジャニーズ事務所を退所した。長年所属した事務所の功労者がここへきて退所を決断したのはどうしてか? ジャニーズ事務所担当の江川悠記者が分析した。
     ◇       ◇
 近藤が退所を決断した背景には主に2つの要因があるとみる。まずは昨年週刊文春で報じられた不倫騒動に対するケジメ、そしてもう一つは2019年7月にジャニー喜多川社長が死去した後、事務所内で進む世代交代の波だ。
 週刊文春の報道によれば、近藤は不倫相手に対し「バレたとしても、もみ消せる権力を持っている」と豪語したという。事実かどうかは別としても、当時はそれほど“お山の大将”気取りだったのかもしれない。
 しかし、近藤本人が想像する以上に世間の風当たりは強かった。それでも、ただ嵐が過ぎ去るのを待とうとする近藤に“ケジメなさい!”と引導を渡したのは、育ての親であるメリー会長だった。無期限で活動を自粛し、コロナ禍で家族と向き合う時間も増える中で、事の重大さを実感したのだろう。
 2000年に「KONDO RACING」を創立して以来、レースが本業となり、芸能活動は片手間のような存在になりつつあった。にもかかわらず、事務所の“長男坊”というポジションは唯一無二で、全タレントを代表する立場は不動だ。先輩に対しても「○○君」と呼ぶのがジャニーズタレントの風習であっても「マッチさん」を君付けで呼べる人などいない。
 フォーリーブスの解散後、事務所が一時冬の時代を迎えたときに彗星のごとく現れ、危機を救ったのはたのきんトリオだ。時代が変わっても在籍を続けたのは近藤のみ。間違いなく事務所の功労者ではあるが、在籍年月の長さだけで神格化されてしまったように思える。
 一方で、ジャニー喜多川社長が死去した後、ジャニーイズムは、タレントを引退してまで自ら後継者に名乗りを上げた滝沢秀明・現副社長に受け継がれた。昨年末で少年隊の錦織一清と植草克秀が退所し、今年11月にはV6が解散する。嵐も活動休止中の今、King&PrinceやSixTONES、Snow Manら次世代グループが事務所の看板を背負っている。
 この時代の流れにのみ込まれるように、自身の置かれたポジションに違和感を感じ始めていたのだろう。
 ましてや、今回の不倫騒動は、後輩に示しがつかない背徳行為。若いJr.世代を応援するファンたちからの冷たい視線も痛いほど突き刺さったはずだ。滝沢副社長なら、安心して未来を託せるという確信を胸に、事務所を去る決意をしたと推測する。
 双方合意の上での円満退所ではあるが、あの不倫騒動さえなければ…極端な話、表ざたになっていなければ、結果は違っていたかもしれない。せめてデビュー40周年の集大成のステージは、「ジャニーズの近藤真彦」として見届けたかった。
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