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伊藤美誠に「いまのあなたは人間として最低だよ」たしなめた母との二人三脚【東京オリンピック】

2021年7月29日 21時00分

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◇29日 東京五輪 卓球女子シングルス3位決定戦(東京体育館)
 日本女子初の五輪個人戦メダリストが誕生した。伊藤美誠(20)=スターツ=がユ・モンユ(シンガポール)を4―1で下し、銅メダルを獲得し、福原愛(32)、石川佳純(28)=全農=といった歴代エースが届かなかった表彰台にたどりついた。ここまでの道のりには幼少期より卓球の英才教育を施し、「チーム美誠」としてサポートの中心にいた母・美乃りさん(45)の努力なくしては語れない。

女子シングルス3位決定戦 シンガポール選手と対戦する伊藤美誠


 リオデジャネイロ五輪後の2017年、同い年の平野美宇(21)=日本生命=が中国選手を次々撃破し「ハリケーン平野」と呼ばれた一方、伊藤は結果を出せずにもがいていた。美乃りさんは「成長曲線が違うだけだから」と黙って見守り、その思惑通り、伊藤は18年に中国選手に「大魔王」と恐れられる活躍を遂げる。
 19年の五輪選考レースでは、主要国際大会中に発熱した伊藤を付きっきりで世話したことも。激戦の選考レースの緊張感を引きずったまま迎えた20年は、周囲への配慮を失いがちだった伊藤の態度を、「今のあなたは人間として最低だよ」とたしなめた。
 昨年は数々の国際大会が消滅し、試合の機会が失われた。自らの発想を試す場として、実戦を何よりも楽しみにする伊藤には苦痛を感じる時期もあった。徹底した感染症対策で物理的にも精神的にも息苦しい思いをしていた娘を、気分転換に地元・磐田など自然豊かな環境に連れ出したのは美乃りさんだった。メダル獲得の快挙は、母とともに歩んだ道のりの先にあった。

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