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畑岡奈紗が首位守り抜いた!日本女子単独3位の通算5勝目 笹生、稲見の快挙を横目に心鍛えた22歳…初めてワインで乾杯を【米女子ゴルフ】

2021年9月27日 13時11分

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優勝トロフィーを手にする畑岡奈紗(AP)

優勝トロフィーを手にする畑岡奈紗(AP)

◇26日 米女子ゴルフ アーカンソー選手権最終日(米アーカンソー州、ピナクルCC)
 畑岡奈紗(22)=アビームコンサルティング=が今季2勝目、米ツアー通算5勝目を飾った。最終Rを5バーディー、1ボギーの67で回り、通算16アンダー。1打差で後続を振り切り、前日からの首位を守り抜いた。この大会を制したのは米ツアー初勝利だった2018年に続き2度目。日本人女子の米ツアー勝利数では17勝の岡本綾子、9勝の宮里藍に次ぐ歴代単独3位となった。笹生優花(20)=ICTSI=も65と伸ばし、通算14アンダーで4位に入った。
  ◇  ◇  ◇
 畑岡の過去4度の優勝は途中から大差をつけての圧勝が多かったが、今回は後続に迫られ、大ピンチの中での粘り勝ちとなった。
 「今まで優勝した中で、一番緊張した」と振り返り、レーを終えた直後も派手なポーズはなかった。しかし、何度も競り負け、悔しさを味わった自分を乗り越えたように、最後は笑って大きく息を吐き出した。
 1打差で最終18番に突入。パー5を2オンさせたが、そこからのパッティングではボールを置き直す際に手が震えていた。15メートルの最初のパットが4メートルオーバー。次のパットも1メートルそれた。
 同組で優勝争っていたミンジ・リー(オーストラリア)が先にパーで上がっており、4パットのボギーなの場合はプレーオフになる。だが、最後のパットは完ぺきだった。簡単なラインではなかったが、畑岡らしく強気に打って真ん中から沈めた。
 「本当に苦しいとき、これは試練だ、と思うようにしている」。ツアーを転戦する中で学んだ極意だった。
 昨年は未勝利。今年は6月の全米女子OPで悲願のメジャー初制覇に迫りながら、同じ日本勢の笹生にプレーオフで敗れ、東京五輪では稲見萌寧の銀メダルを眺めた。そのたびに畑岡は気丈に振る舞い、仲間をたたえたが、心の中では「自分は先を行っていたはずなのに」と自問自答していた。それを「試練だ」と感じ、逆境をはね返す気持ちの強さに変えた。
 今大会は初日と2日目にホールインワンを達成し、これまでの努力に報いるご褒美にもなった。「いろいろ起こりすぎて、ちょっとびっくりです」。そして最後に、優勝という飛び切りのうれしさが待っていた。18年の優勝と違うのは、お酒が飲めるようになったこと。「ワインが好き。大人になっちゃいました」
 今回の優勝で今季のポイント争いは7位、獲得賞金は2位の140万ドル(約1億5400万円)に上がった。「今年の2勝は、どちらも3日間大会。次は4日間大会で勝ちたい」。まだまだ終わりはない。

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