スポーティな「R」やオフ風の「BAJA」など新たなファミリーも続々登場!【ホンダ・モンキーHISTORYその2】

■遊びココロたっぷりのミニマムバイク、その歴史を振り返る

1961年に遊園地の遊具として前身モデルのZ100が登場以来、多くのユーザーから愛されてきたホンダ・モンキー。本企画では、半世紀以上におよぶその歴史を辿っていきます。
今回は、シリーズ随一のスポーツ性能を誇るモンキーRが登場した1987年からプレイバック!

【レーサーレプリカブームに乗る】

●モンキーRを発売(1987年3月)
ツインチューブフレームで走りを磨いた

スポーティな装備を走りが楽しめるモンキーRが新発売されました。エンジンは3.1psから4.5psへ大幅に出力を向上しており、バックボーン式ツインチューブフレームに搭載しています。テレスコピック・フロンフォークには油圧式ディスクブレーキやスワローハンドルが装備され、バックステップとともにスポーティなポジションになっていました。
ホンダ・モンキーR
(モンキーR)

1988-monkey 1988-whitespecial 1988-white-gorilla
●カラーリングを変更して特別仕様車を発売(1983年1月)
よりどりみどりな車体色

モンキーとゴリラに高級感のあるカラーリングを採用しています。モンキーにはキャンディレッド/アイボリーが、ゴリラにはキャンディダークブルー/シルバーのカラーリングが新採用されています。同時に車体全体をパールミルキーホワイトの塗装とした特別仕様車のホワイトスペシャルが発売されました。
ホンダ・モンキー(車体色を変更)
(モンキー)

ホンダ・モンキー・ホワイトスペシャル
(モンキー・ホワイトスペシャル)

ホンダ・ゴリラ・ホワイトスペシャル
(ゴリラ・ホワイトスペシャル)

●モンキーRTを発売(1988年3月)
アップハンドルでツーリングもOK

前年に発売されたモンキーRは前傾姿勢のスポーツモデルでしたが、そこにアップハンドルを採用したモンキーRTが追加発売されました。新デザインのメーターパネルやリヤキャリアを装備してツーリングを意識した内容になっています。
ホンダ・モンキーRT
(モンキーRT)

●ブラックモンキーを発売(1990年1月)
黒さを増して再登場

年間の販売台数が多かった販売店だけで行われた新春大会向けの限定車として、ブラックモンキーが復活しました。1981年のモデルと違い、今回のモデルではフレームから外装パーツ、エンジンまですべてブラックで統一。ゴールドのタンクロゴとリヤスプリングの組み合わせが精悍な印象でした。
ホンダ・ブラックモンキー(第二弾)
(ブラックモンキー)

【オフロードイメージを追求】

●モンキーBAJAを発売(1991年2月)
タフなイメージに大変身

オフロードモデルノXLR/XRシリーズの外観イメージを採用したモンキーBAJA(バハ)が追加発売されました。オフロードモデルのようにデュアルヘッドライトや楕円のライト取り付けパイプ、ナックルガードなどや専用デザインのタンクとサイドカバー、前後フェンダーを採用していました。
ホンダ・モンキーBAJA
(モンキーBAJA)

【12V時代に突入】

●モンキーをマイナーチェンジ(1992年4月)
電装系を12V化

長く変更がなかったモンキーでしたが、この時にエンジンの点火方式を12Vにする変更が行われました。同時にカムシャフト軸受にボールベアリングを、オートカムチェーンテンショナーをそれぞれ採用しています。新たにメタリック塗装も施されました。
ホンダ・モンキー(12V)
(モンキー)

●モンキーBAJAのカラーリングを変更(1992年8月)
ホンダお得意のトリコロール

オフロード装備を採用したモンキーBAJA(バハ)に、ホンダ伝統のトリコロールカラーが新たに採用されました。ホワイトをベースに大胆な刷毛塗り模様のブラッシュ塗装を採用し、燃料タンクにレッドのBAJAロゴを配していました。
ホンダ・モンキーBAJA(トリコロール)
(モンキーBAJA)

●モンキーのカラーリングを変更(1995年3月)
立体エンブレムも新採用

燃料タンクの両サイドに装着されるウイングマークとロゴを立体エンブレムにして質感を高めると同時に、鮮やかな赤と白を組み合わせたカラーリングを追加しています。これにより濃紺タイプと合わせて2色が選べるようになりました。
ホンダ・モンキー(立体エンブレム)
(モンキー)

●モンキー・リミテッドを発売(1996年1月)
エンジンはブラックアウト

1984年に限定発売されたゴールドメッキを再現するモンキー・リミテッドが5000台限定で発売されました。燃料タンクや前後フェンダー、ハンドル、ヘッドライトケース、マフラープロテクターなどをゴールドメッキとして、エンジンをブラック塗装としているのが特徴でした。
ホンダ・モンキーリミテッド(ゴールドモンキー)
(モンキー・リミテッド)

●モンキーSPを追加発売(1997年2月)
初代をオマージュ

モンキー生誕30周年を記念して、スペシャルカラーを施したモンキーSPが追加発売されました。初代モンキーZ50Mのカラーリングをイメージしたホワイトの燃料タンク、レッドのフレームやチェック柄シートを採用していました。また30周年記念専用キーが採用されていました。
ホンダ・モンキーSP(30周年)
(モンキーSP)

●モンキーとゴリラをマイナーチェンジ(1999年9月)
新排出ガス規制に対応

国内の新排出ガス規制に適合させるマイナーチェンジが実施されました。モンキーとゴリラともにブローバイ還元装置を新採用するとともに、キャブレターを最適化して排出ガス濃度を低減させています。同じエンジンを搭載するスーパーカブと同時のタイミングでした。

ホンダ・モンキー(新排出ガス規制対応)
(モンキー)

ホンダ・ゴリラ(新排出ガス規制対応)
(ゴリラ)

●新春スペシャルモデルを発売(2000年1月)
レッド&ホワイトのツートーン

1990年に発売された新春モデルが2000年にも復活します。新春スペシャルモデルは3000台限定で1月28日に発売されました。専用タンクマークやサイドカバー専用ロゴステッカー、トップブリッジとエキゾーストパイプカバーをクロームメッキ仕上げにしています。車体色はタンクと同じキャンディルビーレッドでした。
ホンダ・モンキー(新春スペシャル第二弾)
(新春スペシャルモデル)

2001-blue 2001-red 2001-gori-white 2001-sp
●モンキーとゴリラのカラーリングを変更してモンキースペシャルを発売(2001年1月)
限定モデルは当時人気のFTRをイメージ

モンキーには1978年モデルのイメージを踏襲したキャンディルビーレッドとキャンディサファイアブルーを採用。ゴリラには初代モデルのイメージを踏襲したセラミックホワイトが採用されました。同時にFTRのイメージを取り入れたモンキースペシャルが限定発売されます。タンクにトリコロールカラーの塗装を、フレームとスイングアームに鮮やかなレッドの塗装が組み合わされていました。

ホンダ・モンキー(キャンディサファイアブルー)
(モンキー<キャンディサファイアブルー>)

ホンダ・モンキー(キャンディルビーレッド)モンキー(キャンディルビーレッド)

ホンダ・ゴリラ(セラミックホワイト)
ゴリラ(セラミックホワイト)

ホンダ・モンキースペシャル(FTRイメージ)
(モンキースペシャル)

●モンキー・スペシャルを限定発売(2002年1月)
CB1100Rのカラーがモチーフ

1981年に発売されたホンダCB1100Rのイメージを取り入れたスペシャルカラーモデルが3000台限定で発売されました。フレームとシート、フロントフェンダーやリヤサスペンションにレッドを採用。ホイールをゴールド塗装とすることでスポーティさと豪華さを演出していました。
ホンダ・モンキー・スペシャル(CB1100Rカラー)
モンキー・スペシャル

●モンキーとゴリラのカラーリングを変更してモンキー・スペシャルを発売(2002年11月)
CB750FOUR風カラーが似合う

モンキーにはアクティブなイメージのシルバーとイエローが設定され、ゴリラには深みのあるグリーンが新たに採用されました。同時に1969年に発売されたホンダCB750FOURのカラーリングであるパールコーラルリーフブルーを採用したモンキー・スペシャルが発売されました。
ホンダ・モンキー(スパークリングシルバーメタリック)
(モンキー<スパークリングシルバーメタリック>)

ホンダ・モンキー(パールシャイニングイエロー)
(モンキー<パールシャイニングイエロー>)

ホンダ・ゴリラ(アバグリーン)
(ゴリラ<アバグリーン>)

ホンダ・モンキー・スペシャル(パールコーラルリーフブルー)
(モンキー・スペシャル)

(増田 満)

この記事の著者

増田満 近影

増田満

複数の自動車雑誌編集部を転々とした末、ノスタルジックヒーロー編集部で落ち着き旧車の世界にどっぷり浸かる。青春時代を過ごした1980年代への郷愁から80年代車専門誌も立ち上げ、ノスヒロは編集長まで務めたものの会社に馴染めず独立。
国産旧型車や古いバイクなどの情報を、雑誌やインターネットを通じて発信している。仕事だけでなく趣味でも古い車とバイクに触れる毎日で、車庫に籠り部品を磨いたり組み直していることに至福を感じている。
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