アウディ・A6アバント、RS 7スポーツバックの「RS」モデルに究極のスポーツグレード「パフォーマンス」が新登場

■RSシリーズの中でも圧倒的なハイパフォーマンスを誇る

2023年9月21日、アウディのプレミアムアッパーミドルセグメントに、「Audi RS 6 アバント パフォーマンス」「RS 7 スポーツバック パフォーマンス」が設定され、同日から発売されました。RSシリーズは、究極のスポーツグレードを謳っています。

「RS 7 Sportback performance」のエクステリア
「RS 7 Sportback performance」のエクステリア

アウディ RS 6、RS 7を手がけるのは、同ブランドのレーシングモデル、究極のスポーツグレードを開発、製造、販売するAudi Sport GmbH。ハイパフォーマンスと日常走行における優れた利便性を兼ね備えたモデルとして、過去20年間、4世代にわたって進化を続け、根強い人気を誇っています。

「Audi RS 6 Avant performance」の外観
「Audi RS 6 Avant performance」の外観

日本では2003年に初代モデルRS 6が登場して以来、ツインターボチャージャーエンジンとquattro(クワトロ)四輪駆動システムの搭載が、すべての世代のAudi RS 6に貫かれ、現在のモデルは4代目になります。

さらに、日本では、2013年プレミアムアッパーミディアム4ドアクーペである「RS 7 スポーツバック」がラインナップ。今回、RS 6 アバント/RS 7 スポーツバックからスイッチし、「RS パフォーマンス」が設定されたことになります。

RSに続く「performance」という名称は、RSモデルをさらにパワーアップしていることを意味していて、RSモデル史上最高のパワーと加速性能をもつ仕様として発売されたことになります。

「Audi RS 7 Sportback performance」のリヤまわり
「Audi RS 7 Sportback performance」のリヤまわり

新グレードとなる「RS 6 アバント パフォーマンス」「RS 7 スポーツバック パフォーマンス」に搭載されるのは、4.0L V型8気筒TFSIツインターボエンジン。ターボの大型化とともに、ブースト圧が2.4barから2.6barに引き上げられています。

従来のRS 6 アバント、RS 7 スポーツバックと比較して、30PS、50Nmアップとなる最高出力630PS・最大トルク850Nmを誇ります。パワーアップに伴い、0-100km/h加速は、0.2秒短縮となる3.4秒を記録。また、48Vマイルドハイブリッドやエンジンの低負荷時に8つのシリンダーのうち4つのシリンダーを休止させるシリンダーオンデマンド(cod)をトルコン付ATである8速ティプトロニックと組み合わされ、高性能と高効率を両立するそう。

「Audi Sport」製の21インチ10スポークスターデザインと275/35ZR21タイヤを装着
「Audi Sport」製の21インチ10スポークスターデザインと275/35ZR21タイヤを装着

さらに、「RS 6 アバント パフォーマンス」「RS 7 スポーツバック パフォーマンス」には、「RSダイナミックパッケージ」が標準装備されます。ダイナミックオールホイールステアリング、リヤスポーツディファレンシャルが含まれ、最高速度が250km/hから280km/hに高まっています。

また、駆動方式は、quattro(クワトロ)四輪駆動。メカニカルセルフロッキングセンターディファレンシャルにより、駆動力を通常フロント40%、リヤ60%の比率でリヤアクスル寄りに分配されます。路面状況に合わせて、より多くのトルクを自動的に適切なアクスルに伝えます。最大70%をフロントに、あるいは最大85%をリヤアクスルに配分することでドライバビリティが向上し、クワトロが誇るトラクションと優れた推進力を実現するとしています。

さらに、リヤスポーツディファレンシャルが理想的なトルク配分を計算し、後輪にアグレッシブかつ可変的に駆動配分することで、コーナリング時にアンダーステアを軽減することができるそう。

Audi RS 6 Avant performance / RS 7 Sportback performanceのインテリア
Audi RS 6 Avant performance / RS 7 Sportback performanceのインテリア

もちろん、足まわりにも手が入れられています。専用チューニングが施された「RSアダプティブエアサスペンション スポーツ」が搭載されます。低速では逆位相になり最小回転半径が縮小し、高速では同位相になることで、安定感のあるハンドリングを実現する4輪操舵システム「ダイナミックオールホイールステアリング」も標準装備されています。

これらにより、取り回しの良さとダイナミックな走りを両立。また、コイルスプリングとダンピングコントロールサスペンションに「ダイナミックライドコントロール(DRC)」が組み合わされた「RSスポーツサスペンションプラス」もオプションで選択可能です。

両モデルのエクステリアは、グロスブラックの3Dハニカム構造のシングルフレームグリルが目を惹きます。また、ボディカラーは「RS performance」専用色として「アスカリブルーメタリック」が追加設定されています。quattro四輪駆動であることを想起させるフェンダーは、A6アバント、A7スポーツバックに対して約40mmも拡大されているほか、フロントドア、ルーフ、テールゲートなどを除いて、ボディ外板は、RSモデル専用のデザインが与えられています。

「Audi Sport」製の21インチ10スポークスターデザインと275/35ZR21タイヤを採用
「Audi Sport」製の21インチ10スポークスターデザインと275/35ZR21タイヤを採用

フロントスポイラー、エクステリアミラーハウジング、フロントサイドフラップ、サイドシルインサート、フロントウインドウモールディング、ディフューザートリム、「RS 6 アバント パフォーマンス」には、ルーフレールがマットグレー仕上げになります。また、両モデルともに、「Audi Sport」製の21インチ10スポークスターデザインと275/35ZR21タイヤが組み合わされ、スポーティなムードを放っています。

インテリアには、大型のアルミニウム製パドルシフトやヒーター機能付3スポークステアリングホイールがレーシーな雰囲気を強調。「RS」ロゴが刻まれたバルコナレザーで仕立てた「Sスポーツシート」は、ハードなコーナリング時にも身体をしっかりとホールドするとともに、上質なマテリアルが醸し出す質感も魅力です。

また、高解像度液晶画面を備えた「12.3インチバーチャルコックピット」のRSモデル専用の表示メニューでは、中央にタコメーター、スピードメーターが配され、左右にパフォーマンスに関する情報を表示するレイアウトに変更することもできます。

そのほか、速度、アシスタンスシステム、ナビゲーションや警告といった情報をドライバーの直接視野に入るフロントウインドウ上に、マルチカラーで投影されるヘッドアップディスプレイを用意。16個のスピーカーが搭載される「Bang & Olufsen 3D サウンドシステム」も標準装備されるなど、充実装備も美点となっています。

●価格
「Audi RS 6 Avant performance」:1910万円
「Audi RS 7 Sportback performance」:1980万円

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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