W杯で過去1分け3敗…フランスW杯大会主将・井原正巳氏が南米勢との差語る

 ワールドカップ(W杯)ロシア大会が6月14日に開幕し、6大会連続出場の日本は1次リーグ初戦(同19日)でコロンビアと対戦する。日本は過去のW杯で南米勢に1分け3敗と勝ちがなく、コロンビアには前回大会で1-4と大敗した。なぜ日本は南米に勝てないのか。日本が初出場した1998年大会で主将としてアルゼンチンと戦った井原正巳(50)=J2福岡監督=に聞いた。

 「アルゼンチンはしたたかで、サッカーをさせてもらえなかった」。日本が初めてW杯の舞台に立った1998年大会初戦。優勝候補を相手に0-1と善戦したが、日本代表主将だった井原は完敗と受け止めている。

 相手はイタリア・フィオレンティーナで活躍していたFWバティストゥータを筆頭に、ヨーロッパや南米の強豪リーグに所属する選手たち。全員Jリーガーで臨んだ日本との地力の差もさることながら、一瞬の隙を逃さない抜け目なさに「向こうは勝つための肝を知っていた」と脱帽した。

 象徴的なのが前半28分の失点シーンだ。自陣ペナルティーエリア付近に上がってきたFWオルテガにパスが来た。井原はバティストゥータへのマークを解いてチェックしようとしたが、オルテガはスルー。ボールは後ろにいた名波浩の足に当たり、ノーマークだったバティストゥータに渡って決められた。

 「僕が前へチャレンジしにいった瞬間、空いたスペースにバティは入ってきた。たまたまボールがこぼれてきたけど、ああいう状況でGKの動きを見て確実に決める冷静さは、さすがだった」

 あれから20年。日本は同じく強豪のヨーロッパ勢には2勝(3分け3敗)したが、南米勢には勝てていない。井原は、想像の域と断りつつも持論を展開した。「組織で戦うヨーロッパ勢に対して、日本の組織が上回ることはある。ただ、南米は個で戦う。個の能力に日本の組織力が上回られている。守りであと50センチ寄せるのを怠ったら決められる。どこまで突き詰められるか」

 日本は本大会2カ月前に代表監督だったハリルホジッチを電撃解任した。世界中に衝撃を与えたが、井原は「よほどうまくいっていなかったから判断したはず。選手は代表に選ばれたいと思って、集中してアピールするしかない」と理解を示す。

 井原自身も97年のW杯アジア最終予選中に主将として加茂周監督の電撃解任に直面。後任監督の岡田武史とともにW杯初出場を果たし「ジョホールバルの歓喜」として称賛された。「今回の決断が良かったかと言われるには、結果を出すしかない。今回のインパクトは21年前以上だけど、結果を出してほしい」。かつて逆境をはね返した「アジアの壁」は、再び歓喜が訪れる瞬間を待ち望んでいる。

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