昔は7番アイアン、では今は!? 初心者が最初に練習で使うべきクラブとは

「最初は7番アイアンを使って練習するといいよ」。ゴルフを始めた頃、先輩ゴルファーからこのようにアドバイスされたことはありませんか? 初心者のうちは、クラブを1つに絞ってスイング作りをしたほうが効率的だと言えます。しかし、今も7番アイアンがベストなのでしょうか?

昔のアイアンセットでは7番が真ん中のクラブだった

 ゴルフを始めたなら、ラウンドの前にまず練習場でボールを打つでしょう。その際に、どの番手を使って練習するか、悩んだことはありませんか?

「ちょうど真ん中」という理由で初心者の練習で使われてきたのが7番アイアンだった

 もし、そんな疑問を先輩ゴルファーにぶつけたなら、「7番アイアン」がいいとおすすめされるかもしれません。ゴルフ界では、“まずは7番”という風潮があり、そのため、7番アイアンから練習を始めたという人も少なくありません。

 ではなぜ、7番アイアンが初心者ゴルファーの練習に適していると言われるようになったのでしょう?

 ひと昔前のアイアンは、3番アイアンからのセットが主流でした。クラブの長さを見ると、3番アイアンは39インチ、PW(ピッチングウェッジ)が35インチなのが一般的で、その中間に位置するのが37インチの7番アイアンだったのです。

 初心者がいきなりドライバーやロングアイアンを打とうとしても、まともにボールに当たらないことがほとんどでしょう。そのため、クラブ長さが短いアイアンでの練習が推奨されるわけですが、その中で、長すぎず短すぎずの7番アイアンがスイング作りに適したクラブと考えられたのです。

 真ん中のクラブである7番アイアンでしっかり打てるようになれば、同じ感覚で下の番手も上の番手も打つことができるはず。そういった考えから、7番アイアンを練習に勧める風潮が生まれたのでしょう。

 とはいえ、7番アイアンで練習しなければならないというルールやマナーがあるわけではありません。他の番手も試して、打ちやすいと感じたら、それを重点的に練習しても良いでしょう。

昨今のアイアンセットでは8番アイアンが無難

 最近では、7番アイアンで練習すべきという風潮にも変化が出ています。ゴルフコーチ兼クラフトマンの関浩太郎プロは、以下のように話します。

「今どきのアイアンを見ると、6番や7番からPWまでの4、5本のセットが増えています。そのため、7番アイアンはもはや中間のクラブとは言えなくなっています。アイアンセットの内容が変化していることを考えると、練習に最適なクラブは8番アイアンと言えるかもしれません」

 3番や4番など、ロングアイアンがセッティングから消えた背景には、同じロフトでやさしく打てるユーティリティー(ハイブリッド)クラブの台頭があります。

 ユーティリティー(ハイブリッド)クラブは、2000年前後に登場した比較的新しいタイプのゴルフクラブです。アイアンよりもボールが上がりやすく、フェアウェイウッドよりもボールをとらえやすいという使い勝手の良さが受けて、今ではプロアマ問わず、セッティングに組み込む人が増えています。

 日々、新たなクラブが登場する現代では、クラブセッティングがより複雑化しています。そのため、昔ほど中間のクラブが何と一概に言えなくなってきているとも言えるでしょう。

 これからゴルフを始めるなら、まずは7番アイアンではなく、「8番アイアン」から始めるのが、現代ゴルフのセッティングに沿っていると言えるかもしれません。ただし、ある程度慣れてきたら、番手にこだわりすぎず、いろいろなクラブを試していくのようが良いでしょう。

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2021年12月の1位 G425ハイブリッド(ピンゴルフジャパン)
2021年12月の2位 ゼクシオ12 ハイブリッド(ダンロップ)
2021年12月の3位 SIM2 MAX レスキュー(テーラーメイド ゴルフ)
2021年12月の4位 ゼクシオ エックス ハイブリッド(ダンロップ)
2021年12月の5位 RMX VDユーティリティ(ヤマハ)
「ちょうど真ん中」という理由で初心者の練習で使われてきたのが7番アイアンだった

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