英国と米国の辞書で微妙に異なる「ゴルフクラブ」「カントリークラブ」の意味
ゴルフ場の名称は「カントリークラブ(Country Club)」と「ゴルフクラブ(Golf Club)」が“2大派閥”となっています。ほとんどの人は「どちらもゴルフ場の名前でしょ」という認識だと思いますが、表記が違うからには何かしらの意味の違いはないのでしょうか。
まずは、辞書的な意味から調べてみました。
日本、米国、英国 それぞれの辞書の定義から見える違いは2点。
使用したのは、『大辞林』、英国の『オックスフォード英語辞典』、米国の『ウェブスター英語辞典』です(以下は、記述を抜粋し、英語には日本語訳を追記したものです)。
〈日本『大辞林』による定義〉
・カントリークラブ:都会の人が田園生活を楽しんで休養できるように郊外に設けたクラブ。日本ではゴルフ場の名称に用いられている。
・ゴルフクラブ:ゴルフの愛好者の集まり。また、ゴルフ場を使用する権利を有する人の集まり。
〈英国『オックスフォード英語辞典』による定義〉
・country club: a club with sporting and social facilities, set in a rural area.
(スポーツと社交の施設を備えたクラブで、田舎にある)
・golf club: an organization of members for playing golf.
(ゴルフをプレーする会員による組織)
〈米国『ウェブスター英語辞典』による定義〉
・country club: a suburban club for social life and recreation
especially : one having a golf course
(社交やレクリエーションのための郊外のクラブ)
(特に ゴルフコースを所有している)
・golf club: an organization whose members play golf
also : the golf course where the members of such an organization play
(ゴルフをプレーする会員による組織)
(また、そのような組織の会員がプレーするゴルフ場)
カントリークラブは田舎(郊外)にあり、ゴルフクラブは街に隣接している、また、前者は「社交」が目的で、後者は「ゴルフ」に限定される、その2点が違いとして挙げられています。どちらも「クラブ」であるため、会員制の組織ということが共通点でした。