ボディラインを整えるエクササイズにおいて、強度は重要な要素です。強度が低いエクササイズをいくら行なっても、体には何の変化も起きません。
体に変化を起こすには、強度が高く「きつい!」という感覚が必要です。人生においても、きつい、苦しいという感覚が人を成長させることと一緒ですよね。今回はエクササイズの強度についてのお話をします。
エクササイズの強度は2種類
エクササイズにおける「強度」には2 種類あります。
一つは、負荷が重くて回数をこなしていくとだんだん辛く感じる、という強度。もう一つは、負荷は重くないのですが、理想のフォームに近づこうと意識した瞬間に感じる「きつい!」という感覚の強度。
日本では 10 年前まで、前者の「とにかく負荷を上げて、重い重量を持ち上げれば痩せる!」という誤った認識が主でした。それが、ピラティスが日本で流行してきた頃から「負荷も大事だけれど、フォームが最優先で大事。その方がキレイに痩せるよね!」という認識に変わってきました。
エクササイズを行う目的が大切!
重い重量を持ち上げるよりも、正しいフォームでエクササイズを行う方が重要なのです。例えば、重量挙げの選手とバレリーナを比較したときに、どちらがあなたが目指したい体型ですか?
重量挙げの選手は、バーベルを担いでのトレーニングが主で、筋肉は重い負荷に耐える為に必然的に太くなります。それに対して、バレリーナが普段行なっているエクササイズは、バレエそのもの、もしくはピラティスやヨガなどです。バレエは手足を長く見せることや美しさが求められますので、筋肉は必然的に細く長くなります。
また、人は誰しも大なり小なり体に歪みやクセがあるものです。クセや歪みを抱えたままエクササイズをすると、歪みを助長させてしまい、エクササイズを頑張るほどに理想のボディラインから遠ざかってしまいます。
全身を整えるにはピラティスが最適!
体をどのように変えたいのかを考えたとき、体をどういった環境のストレスにさらすかが重要です。重い負荷に耐えるだけのエクササイズではなく、力を入れるべきところやリラックスさせておくべきところを頭で考えることが大切です。
しなやかで優雅な動きを意識して行なうのにおすすめなのがピラティスです。ピラティスを取り入れることで、全身の筋肉がバランスよく均等に発達します。歪みも取れ、動かすことが快適で、見た目にも美しい体が手に入るのです。
同じエクササイズを行なうときに、がむしゃらに 100 回行うよりも、正しいフォームを 100%意識しながら行う1 回エクササイズの方が効果がはるかに高いです。
エクササイズにおいて、負荷や回数も大切ですが、フォームに最大限の意識を向けましょう。丁寧に行なうことで得られる「きつさ」を目安にピラティスを行なっていくことが、理想の体を手に入れる近道です。
執筆者
- 出井 和也 ピラティストレーナー
《プロフィール》
日本体育大学卒業。在学中は、社会人アメリカンフットボールチームでヘッドトレーナーとして活動。卒業後、ピラティスに出会い2007年より青山の産前産後専門のピラティススタジオで勤務し4年間店長を務める。2013…