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次の100年につなげる努力も…魅力満載の福島の100年フード

2024年3月27日 18:40
次の100年につなげる努力も…魅力満載の福島の100年フード

食文化にまつわる話題です。「100年フード」という言葉はご存じでしょうか。世代を超えて受け継がれてきた食文化を文化庁は「100年フード」に認定し、PRしています。福島県内でも、すでに「いかにんじん」など10品以上が認定されていますが今回、新たに3つの名物が加わったんです。その魅力と課題を取材しました。

◆商都・郡山を代表する漆黒のラーメン

文化庁が認定する「100年フード」は、世代を超えて受け継がれてきた食文化を未来につないでいくための取り組みで、大阪のたこ焼きはもちろん、福島からは「いかにんじん」に「円盤餃子」と、これまでに10以上の食が認定されています。そのうえで今回、県内から新たに3つの食文化が「100年フード」の仲間入りをしたんです。

その1つが漆黒とも言われる黒いスープが特徴の「郡山ブラックラーメン」です。その歴史は、大正時代までさかのぼり、郡山市内の食堂で提供し始めた「中華そば」が起源とされています。スープには濃口しょうゆが使われていて、取材した「麺屋信成」では、県産の濃口醤油を6種類ほどチャーシューとともに煮込んで作っています。こうすることでしょっぱすぎず、まろやかな味わいになるそうです。

「100年フード」に認定されたことで、全国的な知名度のアップにもつながるとお店も期待しています。

■麺屋 信成 店主 海野信一さん
「今100年フードに選ばれてとてもうれしく思っている。まだ食べたことがない人もいると思うのでぜひいろんな店で郡山ブラックを食べ比べてみるのも面白いと思うのでぜひご賞味ください」

◆会津の代表果実…しかし課題も

そして、もう一つは、会津にありました。会津美里町で作られている「高田梅漬け」です。日本一大きな実をつける梅として知られる高田梅。その直径は4センチ以上でゴルフボールほどの大きさにもなります。約600年前に、とある僧侶が苗を持ち込んだのが始まりとされていて、雪深い冬の常備食として塩漬けにするようになりました。今では甘漬けも作られていて、塩、氷砂糖、赤紫蘇のみの昔ながらの材料で手作りされています。

■会津美里農研 佐藤明さん
「100年フードに選ばれたということは大変名誉だと思っております」

梅の生産から梅漬けへの加工までを手がける「会津美里農研」は、伝統ある地域の特産を守ってきましたが、最近は、ある課題が深刻です。

■会津美里農研 佐藤明さん
「農家さんの高齢化もありまして、栽培してくれる農家さんも減ってきました。ピークと比べると10分の1くらいになっていると思います」

約40年前には50軒ほどあった高田梅農家も、出荷している生産者は数えるほどに…。地域の特産を何とか残していきたいと、今は、町や加工業者が一致団結して、全国のファンに届けています。次の100年にもおいしさがつなげるように、食文化を守る取り組みが続いています。