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オーハシテク Research Memo(1):新たな部品ニーズの掘り起しと製造・開発機能の強化により成長を目指す

2019/9/19 15:00 FISCO
*15:00JST オーハシテク Research Memo(1):新たな部品ニーズの掘り起しと製造・開発機能の強化により成長を目指す 1. 会社概要オーハシテクニカ<7628>は独立系の自動車部品メーカーで、約400社の日系自動車・車載機器メーカーにエンジン及びトランスミッション周辺部品、内外装部品など約2万点にわたる精密加工部品を納入している。グループ会社の「ファクトリー機能」(売上高の約20%)と、約300社の協力企業と協働で行う「ファブレス機能」により、品質やコストなど多様な顧客ニーズに対して最適な提案ができるコンサルティング力と、グローバルな供給体制を構築していることが強みとなっている。こうした付加価値提案型のビジネスモデルによって、営業利益率は約10%と自動車部品業界の中でトップクラスの収益性を誇っている。 2. 2020年3月期第1四半期業績実績2020年3月期第1四半期の連結業績は、売上高で前年同期比6.4%減の9,363百万円、営業利益で同13.3%減の937百万円と減収減益となった。米州・欧州での日系自動車メーカーの販売減による減産と中国市場における受注競争激化等が減収要因となっており、利益面では売上減に加えて、米国での鉄鋼関税引き上げを含む原材料費高騰や、中国・英国での現地通貨安による仕入コスト上昇が減益要因となっている。地域別売上高で見ると、日本が前年同期比4.6%減、米州が同5.6%減、中国が同8.4%減、ASEANが同2.9%減、欧州が同27.3%減とすべての地域で減収となっている。 3. 2020年3月期業績見通し2020年3月期の業績計画は売上高で前期比1.4%増の40,000百万円、営業利益で同0.6%増の4,100百万円となっているが、下振れする可能性が高いと弊社では見ている。第2四半期も欧米市場において日系自動車メーカーの販売減が続いているほか、為替も円高傾向が進んでいるためだ。為替前提レートは米ドルが110円、中国元が16.5円、ポンドが145.0円となっており、いずれも直近は円高水準にある。厳しい市場環境になってはいるものの、同社は市場の変化をチャンスと捉え、顧客ニーズの掘り起こしによる新規受注の獲得につなげていく考えだ。ここ数年、電動パワーステアリング用に採用が進み、売上が拡大している圧入プロジェクション接合技術※を用いた精密プレス部品が好例で、高強度・低コスト化が要求される部位での採用が進んでおり、顧客側から提案を受けるケースも増えてきている。売上規模は2019年3月期で23億円だが今後も2ケタ成長が続く見通しで、将来的には海外生産も視野に入っている。 ※ 圧入プロジェクション接合技術…溶接技術の一種で、加工対象部材に圧力を加えながら電極で通電し、圧力と抵抗発熱で異素材の部品を接合する技術。自動車のトランスミッション部分やエンジン制御装置部品など強度が求められる部位において、「必要とされる核心部分だけ高い強度を保持する部品」を「簡素な製造工程」で量産できることが特徴。切削部品と同程度の強度を保ちながら、軽量化や低コスト化を実現できる生産技術として注目されている。 4. 成長戦略同社は今後の成長戦略として、「開発・製造機能の強化による強みの構築」「グローバル事業体制の強化・拡充」「戦略的調達活動の推進」の3つを基本戦略に掲げている。「開発・製造機能の強化による強みの構築」では、急速に進む電動化によって生まれる新たな部品ニーズを的確に捉え、先行開発や製造機能の強化を進めていくほか、エンジン車についても2030年時点の予測ではパワートレインの70%を占める主力市場であり続けることから、高品質・低コスト化を実現する新たな加工技術の開発や既存技術のレベルアップにより競争力を強化していく。また、「グローバル事業体制の強化・拡充」を進めていくことで、顧客である日系自動車・電装品メーカーのグローバル生産化に対応し、為替変動リスクの軽減を図る。日本や米国、中国、タイでの製造機能強化を進めていく予定のほか、各拠点での組織体制強化、人材育成や新事業拠点への展開なども視野に入れている。「戦略的調達活動の推進」では、ファクトリー機能と併せて事業の柱であるファブレス機能の更なる強化を進めていく。具体的には、重要戦略分野において高い技術力を有する調達先とは、資本提携も含めた強固な関係構築に取り組み、グループ内製造機能の強化を進めていく。こうした取り組みにより、グループ内製造比率を現在の約20%から2022年度には40%まで引き上げ、営業利益率でも10%超と業界トップクラスの収益性を維持していく方針だ。 5. 株主還元策2020年3月期の1株当たり配当金は前期比4.0円増配の52.0円(配当性向25.6%)と8期連続の増配を予定している。配当性向の水準としては30%を視野に入れ安定的かつ段階的な配当の増額を実施していく方針だ。また、株主優待では3月末と9月末に100株以上保有の株主に対しておこめ券を保有株数に応じて贈呈している。株主優待を含めた単元当たりの投資利回りは4.4%となる(9月6日終値1,376円で算出)。その他、自己株式の取得についても適時検討していく方針としている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《MH》
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独立系自動車部品メーカー。技術開発として約300社との協力企業を組織化。携帯電話用部品も展開。EV向け部品の研究開発を強化。圧入プロジェクション技術に定評。国内や米国の好調もあり、3Q累計は増収確保。 記:2024/03/24