警察が異例の要請。いま、名札を学校以外で付けることを見直す動きが広まっている。

県警が「登下校時に名札を隠すよう」要請

真新しいランドセルに心を躍らせ、元気に登校する新1年生を見かけるこの季節。
その登下校に思わぬ危険が潜んでいる。
それは「名札の着用」。

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先生や児童同士が名札を見て名前を覚えることで、コミュニケーションを円滑にするために重要な名札だが、事件に巻き込まれる恐れがあるという。

既に閉鎖されたインターネットサイトでは、多数の女子児童の写真が投稿され、顔だけでなく名前や学校名などが名札から読み取ることができる状態になっていた。

佐賀県警は、女子児童を登校中に複数回待ち伏せして写真を撮影・投稿したとして、40代の男を佐賀県迷惑防止条例違反の疑い(嫌がらせの行為)で書類送検。

県の教育委員会などに対し、登下校時などには名札を外したり隠すなどの異例の要請を行った。

そもそも、名札の着用見直しのきっかけとなったのが、埼玉県で2014年に起きた事件。
傘に書かれていた名前を読み取られ、当時13歳の少女が面識のない男に誘拐され、約2年間監禁された。

この事件を受け、さいたま市教育委員会は各学校に対し、名札や持ち物から名前が特定されないように指導するよう通知。
それでも埼玉県では、2020年1年間だけで「お菓子をあげる」「一緒に遊びに行こう」などの声かけ事案が2752件報告されている。

名前で呼ばれ「自分のこと知ってる人では…」

子どもの防犯に詳しいセコムIS研究所・舟生岳夫主務研究員に話を聞くと…

セコムIS研究所・舟生岳夫主務研究員:
SNSだと、もちろん個人情報、顔とかもそうですが、特に名札というのははっきり名前と学校名が全部わかってしまいます。なので、個人情報を元に声かけるなど悪い人からターゲットを付けられてしまうわけです

知らない人が子どもに声をかけて「◯◯ちゃん」と呼ばれた時に、子どもは自分の名前を知っているので「この人は私を知ってる人かもしれない」と気を許してしまう

都内の多くの学校では、名札を学校に置いていく”置き名札”を行っているということだが、実は名札だけではなく、個人情報流出の危険が子供たちの持ち物に潜んでいる。

記名に注意するべき持ち物は…

イットのスタジオでは…

佐々木恭子アナウンサー:
名前を外に知らせないという取り組みは、地域によってもうすでに進んでいるところもあります。
例えば、学校の中では名前を見せる。

登下校時はクルっと回転させて、見せない。こうした工夫をした名札もあります

加藤綾子キャスター:
もう名札を学校に置いてきてしまうというのもいいですよね

佐々木恭子アナウンサー:
個人情報をどうやって”漏らさせないか”ということも大事ですね

住田裕子弁護士:
誘拐などの対策とともに、SNSが発達していますから、お子さんにとっても自分の名前とかプライバシーについては、簡単に出さないということ、を子どもの時からしっかりと身につけておくことも大事だと思います

加藤綾子キャスター:
勉強の一環としてもですよね

佐々木恭子アナウンサー:
帽子のつば、傘、靴のかかとなども意外とわかってしまうので要注意です。マークなどで置き換えるのも一つの方法だと思います

(「イット!」4月14日放送より)