北日本や東日本の太平洋側などで記録的な日照不足が続く中、野菜に異変が起きている。

ピーマンやキュウリはいびつに曲がり、トマトにはひび割れが…農家からは「厳しいです」と悲鳴が上がっている。

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さらに、野菜の価格はますます高騰。中には1.5倍の値段になった野菜もある。

スーパーおっ母さん 北千住店・金子勝さん:
(お客様が)手が出にくいような値段になってきているのは確かですね。

日照不足で野菜も変形!?…野菜の価格高騰をどう乗り切るか?めざましテレビ「ココ調」班が緊急調査した。

トマト・ピーマン・枝豆の生産者を直撃

まずは野菜の高騰について、街の意見を聞いてみると…

20代女性:
さっきホテルの朝食でキュウリがあって、「久しぶりに食べた」って喜んでいました。

30代女性:
サラダに使おうかなと思っても高いから。野菜じゃなくて他のサラダとか、出来合いのものを買っています。

生産の現場では何が起きているのか?

取材班が埼玉県桶川市にあるトマト農家を訪ねると、ビニールハウスのトマトは緑色。本来なら収穫の終盤を迎えている時期だというのに赤くない。

手島農園・手島孝明さん:
低温の影響で赤みが少ないですね。だいたい収穫量としたら去年の半分くらいですね。

ビニールハウスで作っていても太陽があたらないとハウス内が暖まらないため、トマトの成長が遅くなるのだという。さらに…

横山ルリカ リポーター:
派手に割れちゃってますね。

手島農園・手島孝明さん:
ひびが入っているようになって…

この日照不足で湿度が上昇。トマトが余分な水分を吸ってしまうため、表面が割れてしまうのだ。

横山ルリカ リポーター:
割れてしまう割合はどれくらいですか?

手島農園・手島孝明さん:
例年なら1割くらいなんですけど、今年は3割くらい。

需要に対して収穫が追いつかず価格が高騰しているため、割れたトマトも低価格で出荷しているというが、出荷時期が遅くなっているものの、味や大きさには全く影響が出ていないそうだ。 味見してみると…

手島農園・手島孝明さん:
うんうまっ!(笑)収穫量は落ちていますけど、味はバッチリ濃くてうまいですよ。

横山ルリカ リポーター
伝わりました!(笑)

と、育てたトマトを食べてアピールしてくれた。

続いて向かったのは、ピーマン収穫量日本一の茨城県神栖市の農家。
この日照不足の影響で新芽がうまく出ず、収穫量が減少し、形にも変化が出ているという。

JAなめがたしおさい・田沼貴久さん:
数量が取れないということで収穫が減っていますね。こういうのは形が悪いですね。日照不足の影響で、こういうのが多いんですよね。

十分に成長できなかったピーマンは歪に曲がり、通常のものと比べてサイズも小さい。

このような曲がったピーマンは出荷できず、例年より約1割出荷量が減り価格上昇につながっているのだ。

JAなめがたしおさい・田沼貴久さん
いま出荷するピーマンはあるんですが、8月分のピーマンの生産が全然ないということで。おてんとさんに照ってほしいですね。

また、この時期、ビールのおつまみの定番・枝豆にも影響が出ている。
枝豆の生産が盛んな千葉県野田市の農家を訪れた。野田市の枝豆は大粒で甘みが強いのが特徴だ。しかし…

宇佐見農園・宇佐美稔久さん:

ちょっと今年は小さいような感じがします。(通常だと)だいたい8cmはある。大きいやつで9cm。今年は1cmくらい小さい。

味に変化はあるのか?

宇佐見農園・宇佐美稔久さん:
甘いですね。ただ若干甘さが薄いような感じがします。2日か3日天気が良ければ、もっと甘くなりますね。

どんな野菜を買えばお得? 価格安定の条件とは

では、値段はどのくらい高くなっているのか?

東京都足立区のスーパーで青果コーナーを見てみると、トマトのコーナーに…

横山ルリカ リポーター:
「日照不足により高くてごめんなさい」とポップに書かれています。

スーパーおっ母さん 北千住店・金子勝さん:
キュウリ、トマト、ナスなどは、通常の5割増くらいになっていると思います。

このスーパーでは、7月2週目ごろから1本50円だったキュウリが85円に。またナスは1袋で250円だったのを380円に値上げしたという。

埼玉県春日部市のスーパー富士ガーデン 春日部店では、キュウリが3本で180円、ナスは3本150円だった。通常5本入りのところを3本入りに変えるなど、数量を減らして買いやすい値段にしているという。

農林水産省によると、東京都中央卸売市場の卸売価格は、過去5年間と比較してキュウリが38%、ナスが13%、ピーマンが7%も値上がりしている状況(7月16日時点)。

なんとか安く買える方法はないのか?

スーパーの担当者に価格変動が少ないお得な野菜を教えてもらった。

スーパーおっ母さん 北千住店・金子勝さん:
「泥モノ」と言われているニンジン・タマネギ・ジャガイモなどは、値段が安定していると思います。

ニンジン・タマネギ・ジャガイモなど土の中で育てるいわゆる「泥モノ」野菜は日照不足の影響を受けにくく、価格が安定しているので狙い目だというのだ。

さらに、産地によっても値段の違いがあるという。ココ調班が向かったのは北海道!

北海道恵庭市にある余湖農園の藤原定さんは、「これまでは天候が順調にきてますからね。晴れが多くて、雨はほとんど降っていないです」と話す。

7月の東京都心と札幌市の日照時間を比べると、その差は一目瞭然。

実は日照不足の影響を受けていない北海道では順調に農作物が育っていたのだ。

野菜の直売所を訪れてみると新鮮な野菜や果物が山積みに並んでいた。

元々、安く購入できる直売所だとは言え、大根は1本70円と安く、日照不足で値上がりしている首都圏のキュウリも直売所では5本入り130円で販売されていた。

恵庭農畜産物直売所・新保孝店長:
例年は100円そこそこなんです。(日照不足の)影響を受けてるということはないです。

野菜を作っている秋田県や青森県でも日照不足の影響はほとんど見られないが、北海道の野菜は生産量が多いため、都内に流通しても比較的安い価格で購入できる場合があるという。

ココ調が都内のスーパーで調べた結果、北海道産のトマトやピーマンの値段は約3割安いということがわかった。また、農研機構の東出忠桐さんによると、今後、野菜の価格が安定する条件は「1日の平均気温が26℃ほどの状態が1~2週間続くこと」で、それにより野菜が育ち、価格の高騰も回復してくると予想されるという。

野菜の種類や産地に注目して、天気が回復するまでの間、お得な野菜をいかがだろうか?

(「めざましテレビ」『ココ調』7月19日放送分より)

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