上京後はほとんど一人で暮らしたことがないという青木さん。20年ほど前には前田健さんの実家に入り浸っていたそう。自宅のキッチンでの一枚(写真提供:青木さやか)
タレントで女優の青木さやかさん。母との和解と看取り、自身の肺がん、パニック障害など、赤裸々な体験をはじめ、小学生のお嬢さんと保護猫2匹、トイプードルとの日常を記した婦人公論jpでの連載「48歳、おんな、今日のところは『……』として」が話題に。その青木さん、自らの人生を振り返れば、20代で上京してから誰かしらと一緒にいたことが多く、一人だけで暮らした経験はほとんどないそうです。特に20年ほど前には、お笑いタレントで俳優の前田健さんの実家に入り浸っていたそうで――。

前田健さんの実家に入り浸っていたあの頃

そういえばわたしは、一人で暮らした時間がほとんどない。

20代で上京してから、彼だったり、彼なのか彼じゃなくなったのかわからない人だったり、友達だったり友達じゃないのかわからない人だったりが家にいた。一人暮らしのときは友達の実家に入り浸ってみたり、朝まで誰かにいてもらったりした。

だから、よく「一人暮らしが長すぎて人と暮らせない」という話を聞くと、へーそんなものなのか、と思うし、一人の夜を楽しむことができているのか、と羨ましく思う。

一人の夜は、とてもさみしい。

20年ほど前、いまは亡き前田健さんの実家に入り浸っていた時期があった。居間にコタツが置いてあり、いつもわたしはそこにいた。コタツで寝て、起きてもコタツにいた。隣に大きなイヌが寝ていて、わたしの服はイヌの毛だらけになっていた。健さんが家にいなくてもわたしはコタツにいて、帰ってくると、

「青木、またいるの」

と呆れながらコーヒーをいれてくれた。

健さんのいれてくれるコーヒーは美味しかった。イヌの毛が浮かんでいたけど別に気にならなかった。

お父さんがいるときは、みんなでサイコロ(別名チンチロリン・サイコロを使った賭けごと)をやった。サイコロが終わるとコタツで寝た。

わたしも健さんも、テレビにほとんど出ていなくて、とても暇だった。