【お答えします】福井県獣医師会 開業部会
さくら通り動物病院(福井県福井市)
北岡大輔院長
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愛犬が顔を前に突き出し、ズーズーと苦しそうな呼吸をしているのを見たことはあるでしょうか?その呼吸は、逆くしゃみという症状かもしれません。
逆くしゃみとは、見ている側が窒息してしまうのではないかと考えるような、音を立てた吸気性の努力性呼吸のことで、リバース・スヌーズ・シンドロームといわれたりもします。
その名の通り、空気を鼻孔から押し出す通常のくしゃみとは違い、鼻孔から空気を連続的に吸い込む発作性の呼吸の現象を指します。
小型犬や短頭犬種、特にプードル、パピヨン、チワワ、ヨーキー等でよく見られます。
「逆くしゃみ」の原因は?
残念ながら逆くしゃみの原因は今のところ解明されていませんが、病気ではありませんので治療の必要はありません。
しかしながら、逆くしゃみの背景に鼻腔内の異物や腫瘍、歯周病、副鼻腔炎、真菌感染、アレルギーなどの基礎疾患が関係してる場合もあるので注意が必要です。症状が頻発したり、普段よりも長く続くような場合はかかりつけ医にご相談いただくことをお勧めします。
どうやったら治る?治療方法は
治療は必要ありませんが、愛犬が苦しそうな姿を見るのはつらいものですよね。その時は鼻を軽くつまんだり、息を吹きかけたり、喉や胸をさすってあげると収まることがあります。
また、逆くしゃみと思っていたら、「咳」のことがあります。その場合、呼吸器や循環器の疾患の可能性も考えられるので、いつもの症状と違って見えるようなことがあれば動物病院を受診するようにしてください。
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