ドラ2入団も戦力外経て育成契約 復活にかける鷹左腕「今年がラストの思い」

ブルペン入りしたソフトバンク・伊藤祐介【写真:藤浦一都】
ブルペン入りしたソフトバンク・伊藤祐介【写真:藤浦一都】

シート打撃での課題に向き合うホークス育成・伊藤

 ソフトバンクの育成投手・伊藤祐介が、11日もブルペンに入って懸命なピッチングを続けた。相次ぐ故障で育成契約となって3年。再び2桁の背番号を背負うために、みちのく生まれの左腕は必死のキャンプを送っている。

 伊藤は2012年のドラフトで2位指名を受け、東北学院大学からソフトバンクに入団した。「みちのくのドクターK」の異名を持ち、即戦力として期待されたものの左肘や背筋の故障もあって2015年オフに戦力外通告を受けて育成選手として契約。昨シーズンは2軍戦で26試合、3軍戦で17試合に登板するなど故障を乗り越えて実戦経験を積み上げ、このオフは和田毅の自主トレに参加した。

 9日にA組のフリー打撃に参加して主軸を相手に投げた伊藤は「投げ急いでいたところもあるし、ブルペンでやっていたフォームで投げられなかった。それだけフォームが固まっていないということです」と振り返り、その反省を生かすべく11日のブルペンではフォーム固めに専念した。

 同じブルペンでは川原弘之、齋藤誠哉、渡邉雄大、大竹耕太郎という伊藤と同じ育成左腕が競い合うように投げあっていた。また、第3クールが始まったこの日から笠原大芽、笠谷俊介、育成の長谷川宙輝という3人の左腕がA組に昇格。6年目の伊藤が置かれている立場は決して平穏とは言い難い。

 それでも伊藤は「昨年もそうだったが、今年もこれがラストという思いでやっている。懸命にやって1日でも早く支配下に復帰したい」と前だけを向いてがむしゃらに左腕を振り続ける。支配下に上がり、1軍の戦力として認められれば、故郷・仙台で登板するチャンスも巡ってくる。長年応援してくれている故郷の人たちに輝く姿を見せるまで、伊藤の挑戦は続いていく。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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