日本シリーズ4連覇のホークス チーム防御率12球団唯一2点台、王者の所以は…【投手編】

ソフトバンクシーズンレビュー2020【画像:パーソル パ・リーグTV】
ソフトバンクシーズンレビュー2020【画像:パーソル パ・リーグTV】

投手3冠の千賀滉大と2冠の石川柊太

 今季、3年ぶりのリーグ優勝、そして4年連続の日本一に輝いたソフトバンク。序盤はなかなか波に乗れなかったものの、終わってみれば、73勝42敗5分で31の貯金、2位のロッテに14ゲーム差をつける圧倒的な強さでペナントを制した。本記事は投手を中心とした前編、野手を中心とした後編に分けて、各選手にフォーカス。パーソル パ・リーグTVの特集動画「シーズンレビュー2020」とともに、ソフトバンクの2020年シーズンを振り返っていく。

 ソフトバンクの優勝の原動力となったのは、なんといっても投手陣。チーム防御率は12球団で唯一の2点台を記録(2.92)。奪三振数もトップ、被安打、被本塁打、失点も最少と、投手力で他のチームの追随を許さなかった。まずは、数々のタイトルを獲得した先発陣を振り返ろう。

 今季、エースとして君臨したのは千賀滉大投手。調整が遅れ、開幕には間に合わなかったものの、7月7日の楽天戦で初先発し、白星スタート。その後は尻上がりに状態を上げ、9月8日の楽天戦以降、9試合連続QSでシーズンを締めくくった。160キロにも達する剛速球と鋭い変化球で三振の山を築き、最終的には18試合に登板して11勝6敗、防御率2.16で最多勝、最優秀防御率を獲得し、さらに149奪三振で自身2度目の最多奪三振と、投手3冠を達成。5回未満での降板は一度もなく、たとえ調子が悪くとも粘りの投球でゲームを作るなど、「エース」としての成長も見えた1年だった。

 石川柊太投手も、充実のシーズンを過ごした。7月1日の日本ハム戦から自身6連勝を記録するなど、年間を通してローテーションを守り切り、2年ぶりの2桁勝利となる11勝をマーク。規定投球回には届かなかったものの、自身初のタイトルとなる最多勝と最高勝率(勝率.786)を獲得し、投手2冠に輝いた。

 特筆すべきは被安打数の少なさで、111回2/3でわずか68、これは100イニング以上投げている投手の中で、断トツに少ない数字である。それを象徴したのが8月1日の西武戦。石川らしいテンポの良い投球でスイスイと打者を打ち取っていき、9回1安打13奪三振の快投で、自身初完投を完封で飾った。来季以降はノーヒットノーランの期待も高まる。

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