秒速薬膳でアッという間に健康に

口内炎の症状改善には緑豆もやしで熱をとり炎症を鎮める

もやしのグリーンナムル(提供写真)

 食べるのもしゃべるのも苦痛になる口内炎。不快な症状を食事で改善するには、タイプを見極めることが大切です。

 口内炎には2つのタイプがあります。まず突発的に発生する「急性口内炎」。脂っこいものや辛いものの食べすぎ、暴飲暴食によって、中医学で消化をつかさどる「脾」と呼ばれる臓器に熱が生じることが主な原因です。脾は「口」との関係が深く、口内の粘膜に炎症を引き起こしてしまうのです。

 また、過度なストレスや睡眠不足によって、中医学で「心」と呼ばれる臓器に熱を持たせることも原因のひとつです。心と関わりの深い「舌」に口内炎ができやすくなります。これらの場合は、熱や炎症を鎮めて解毒作用のある食材を取り入れることが改善への近道です。おすすめは緑豆もやし。原料となる緑豆は、体内の余分な熱をとるすぐれた「清熱作用」と炎症を鎮めて解毒する作用があり、まさに口内炎にうってつけの食材なのです。そのほか大根、キュウリも口内の「火消し」に役立ちます。

 ナスも痛みを抑えてくれる食材。食べるだけではなく、黒焼きにしたものを潰して患部に塗るのもおすすめです。

 飲み物であれば緑茶が効果的。炎症をクールダウンするとともに、心の熱を鎮めてくれる働きがあり、舌にできた口内炎の改善にも役立ちます。 もうひとつのタイプは再発を繰り返す「慢性的口内炎」。一度口内炎になると、なかなか治らない傾向も見られます。

 こちらは脾の働きが弱く、消化吸収力が低下して粘膜が弱っていることが原因。普段から疲れやすく、胃腸が弱い人に多いタイプです。疲労がたまったり、体調を崩したときに口内炎が発生しやすくなります。

 このタイプは脾の働きを強めて根本的な改善を図りましょう。おすすめはイモ類やカボチャです。とくにサツマイモは脾のパワーを底上げして口内粘膜を強化します。

 フルーツはリンゴが脾の働きを高める作用大。飲み物はハトムギ茶や玄米茶が役立ちます。

 また、どちらのタイプにも共通して効果的なのがハチミツ。殺菌効果があり、炎症を抑える作用が高いのです。食べるのもつらいときは、水で薄めたハチミツ水で、つらい痛みを和らげましょう。

■急性口内炎改善薬膳レシピ


もやしのグリーンナムル

 口内炎の救世主である緑豆もやしに、舌にできた口内炎のケアにも役立つ緑茶をプラス。緑茶のほろ苦くさわやかな風味が新鮮なもやしナムルです。

【材料】
●緑豆もやし 1袋
●ごま油 大さじ1
●抹茶 小さじ1
●鶏がらスープのもと
 小さじ1

【作り方】
 熱湯に緑豆もやしを入れてさっと茹で、水気を切ってボウルに投入。ごま油を加えてあえ、続いて抹茶、鶏がらスープのもとも加えて全体を混ぜる。

アップルハニー焼きいも(提供写真)

■慢性的口内炎改善薬膳レシピ


アップルハニー焼きいも

 脾の働きをアップして粘膜を強めるサツマイモとリンゴ、口内炎対策に欠かせないハチミツを組み合わせたやさしい味わいのスイーツ焼きいもです。

【材料】
●焼きいも 1本
●リンゴ 2分の1個
●ハチミツ 大さじ2

【作り方】
 焼きいもを半分にカットして器に盛り、皮をむいてすりおろしたリンゴをのせ、ハチミツをかける。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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