大谷に受け継がれる「42」のスピリット 特別な「4・15」に1安打1盗塁2得点で15戦連続出塁

スポーツ報知
1回1死、背番号42で右前打を放った大谷(カメラ・中島 傑)

◆米大リーグ ドジャース4―6ナショナルズ(15日・米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(29)が15日(日本時間16日)、「ジャッキー・ロビンソン・デー」で躍動した。背番号「42」を身にまとい、本拠地ナショナルズ戦に「2番・DH」でフル出場。日本人最多通算176号はお預けとなったが、初回には右前打を放ち、7回の好機ではひときわ大きな歓声が送られるなど、1安打1盗塁2得点で15試合連続出塁と好調をキープした。

 球場が揺れるような声援に包まれた。3点を追う7回2死一、二塁。一発が出れば同点という場面で打席には背番号「42」の大谷が立った。ハービーの98・6マイル(約159キロ)直球を捉えたが、惜しくも中直に倒れチームは連敗。日本人歴代単独トップのメジャー通算176号もお預けとなり、得点圏に走者を置いた場面の打率は6分3厘(16打数1安打)。3月20日の開幕戦で適時打を放った後は17打数連続無安打(2犠飛を含む)となったが、何とかしてくれるという期待感がスタジアムに充満した。

 「7回も当たりが良すぎてしまった。私は彼に打順が回ってくるたびに、何かやってくれるんではないかと思い始めたところだ」と、ロバーツ監督は大谷への期待を口にした。

 初回1死の第1打席ではメジャーデビューの新人左腕・パーカーから打球速度107・3マイル(約173キロ)の右前安打で、前日から2打席連続安打。連続出塁を15試合に伸ばした。その後に4番・スミスの中犠飛で生還。6回には打撃妨害で出塁すると、2試合ぶりとなる今季3盗塁目を決めるなど足でも魅せた。

 「4・15」は初の黒人選手の功績をたたえる「ジャッキー・ロビンソン・デー」。MLBで永久欠番の「42」のユニホームを全員が着用する、特別な一日だ。試合前にはドジャースタジアムのセンター後方に建てられたジャッキー・ロビンソンの銅像の前でセレモニーが行われた。大谷にとっては縁起のいい日で、22年には自身初の「プレーボール弾」を含む1試合2発。昨季は2安打1打点をマークしている。

 スピード感あふれるプレーでMLBを席巻し、新たな扉を開いたロビンソン。二刀流の大谷にも、そのスピリットは受け継がれている。(中村 晃大)

 ◆ジャッキー・ロビンソン・デー 20世紀初の黒人選手として人種の壁を破ったジャッキー・ロビンソンをたたえる日。1947年4月15日、ドジャースデビューから50周年となった97年に式典を行い、全球団が同氏の背番号42を永久欠番とした。04年から4月15日を「ジャッキー・ロビンソン・デー」として正式に決め、09年から当日は全球団の選手、コーチ、監督が42をつけることが義務づけられている。

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