【巨人】打率1割台の猛虎「恐怖の3番」 阪神に3連敗…全部、あの男のバットにやられた

スポーツ報知
8回1死一、二塁、森下翔太(中)から同点左前適時打を浴びる投手・菅野智之(左)、右=捕手・小林誠司(カメラ・岩田 大補)

◆JERA セ・リーグ 阪神2x―1巨人=延長10回=(18日・甲子園)

 巨人にとってはまさに「恐怖の3番」だ。

 この夜、自身最長の開幕20イニング連続無失点と、かつての無双状態にあった菅野智之投手。そんなベテラン右腕の3勝目を消滅させたのが、阪神・森下翔太外野手の8回の左前同点打だった。

 連打で背負った無死一、二塁から、中野の送りバントを素早いフィールディングで三塁封殺。1点を追う阪神には嫌な流れとなりかけた所で、森下の一振りが試合を振り出しに戻し、甲子園の虎党を歓喜させた。

 森下は開幕から調子が上がらず、この試合の直前までの打率は1割9分3厘。だが、ここ一番の打席で驚異的な勝負強さを見せて10打点を稼ぎ出していた。巨人が連勝スタートした東京ドームの開幕カードでも、3戦目に今季初安打が決勝の3ラン。開幕3連敗となれば、王者・阪神にとっても最悪のスタートとなっていたはずだったが、そんなチームのピンチを救う千金弾だった。

 場所を甲子園に移した今カード、昨夜(17日)も決勝打を放ったのが森下だった。3連打でワンチャンスをモノにして勝利。チーム3安打は、門脇誠が1人でたたき出した4安打より少なかった。

 ここ一番で発揮される王者の集中力。この夜、同点の延長10回無死一塁で、森下に再び打席が回ってきた。セオリー通りなら送りバントもあり得る場面。岡田監督が選んだのは強攻策だった。勝負強さに賭けた。その森下が見事、中前安打でつなぎ無死一、三塁に(この夜の2安打で森下の打率は.217に)。スタンドのボルテージは最高潮を迎えた。最後は佐藤輝のサヨナラ打。ただその前に、もう勝負は決まっていたのかもしれない。

 昨季6勝18敗1分と巨人が大きく負け越した伝統の一戦。今季はこれで2勝3敗1分となった。今後、どんな数字を描いていくのか。ただ、森下のバットを止めなければ、巨人が苦戦を強いられるのは間違いない。

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