巨人・菅野智之、“弟子”との直接対決「負けるか」で開幕から20回無失点 好リリーフのドラ1右腕労う

スポーツ報知
8回1死一、二塁、森下(後方)に同点適時打を浴びた菅野(カメラ・岩田 大補)

◆JERA セ・リーグ 阪神2×―1巨人=延長10回=(18日・甲子園)

 菅野の力投は間違いなく甲子園で存在感を放った。7回1/3を6安打1失点。唯一の失点は続投した1―0の8回、先頭からの連打をきっかけに、1死一、二塁を招き森下に同点の左前適時打を浴びた。2年目だった2014年以来自身10年ぶりの開幕3戦3勝は届かなかったが、下を向くことなくバスへと乗り込んだ。

 「何とか監督や投手コーチの思いに応えたかったですけど…。(8回無死一、二塁で)バントを三塁でアウトにして、同点で止められたと思う。そんなに悲観することではない。先頭はもう少し慎重にいってもよかったのかなというところです」

 初回、3回と得点圏に走者を許すも後続を断った。中盤からは立て直し、最速151キロの直球にスライダーやフォークも光った。1―0の5回は2死二塁で中野をフォークで空振り三振に斬り、グラブをたたいて感情を表現した。

 “弟子”の姿にさらに気持ちは奮い立っていた。18年オフまで4年連続で合同自主トレを行った西勇との直接対決は21年10月以来4度目。この日、2人に勝ち負けはつかず通算1勝0敗のままとなり「できれば勝ちたかった。いい投球をしていたし、自分も『負けるか』って気持ちで投げていた」。16年の13回を超える開幕からの無失点は20イニングで止まったが、防御率0・44はリーグ2位と安定感が光る。

 後輩をねぎらう姿もあった。同点の8回1死一、二塁で自身の後を受けた西舘が無失点で切り抜けた。「本当に頼もしいし、ああやって助けてもらうこともある」。ベンチに戻ってきたルーキーに「ありがとう」と思いを伝えていた。

 阿部監督は「すごく頑張っていた。1失点だし、何も文句は言えない」と評価した。「できればイニングは最後まで投げ切れるように」と気を引き締めた菅野。12年目も、その右腕で頼もしさを示し続ける。(田中 哲)

 【記録メモ】 菅野(巨)の開幕からの連続イニング無失点は、20回で止まった。巨人投手で開幕から20回以上無失点は、18年のメルセデスが25イニング連続無失点して以来、最近の巨人投手では、07年の高橋尚成が28回、12年の山口鉄也が25回1/3をマークしている。菅野は16年の13回を上回り、自身の開幕最長無失点になった。なお、開幕に関係なく、菅野の連続イニング無失点の最長は、18年の32回。

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