夏の甲子園、2部制導入でチケット代は1日券の半額以下も…開幕から3日間

スポーツ報知
21年8月、頭を氷のうで冷やしながら水分補給する京都国際の選手

 日本高野連は19日、第106回全国高校野球選手権大会(8月7日から17日間・甲子園)の第2回運営委員会を大阪市内で開き、暑さ対策として午前の部と夕方の部に分けて試合を行う「2部制」の導入を全会一致で決定した。

 今夏は開幕する7日から9日までの3日間を1日3試合にして実施する。入場料金は1試合のみの部があることも踏まえ、中央指定席と一、三塁指定席は1日券の半額以下に設定。10日以降は、1日券で前売り券を販売するため、順延した場合も2部制を実施しない。

 開幕日は第1試合後に休憩を入れ、第2試合を午後4時、第3試合を同6時30分に開始。第2、3日は第2試合後に休憩を取り、第3試合は午後5時に開始する。観客は完全入れ替えを行うことから、最大4万人以上が入退場する際の事故を防ぐため、午前と夕方の部のインターバルは最低でも2時間半を確保。よって、開幕日は午後1時30分までに、第2、3日は午後2時30分までに午前の部が終了していない場合、原則として継続試合となる。

 ただ、近年の第2試合終了時間は平均で午後1時6分で、2000年以降で3時間半を超えた試合は06年決勝の早実―駒大苫小牧の延長15回引き分けのみ。タイブレーク(延長10回から)が導入されたことも踏まえると、これらより長引くことは考えにくい。

 また、準決勝は昨夏より1時間繰り上げて第1試合を午前8時、第2試合を10時35分に開始。決勝は4時間繰り上げて同10時に開始する。「暑さ対策を考える中で、やはり何かをやらないと、一歩目を踏み出さないと何事も見えてこない」と、高野連の井本事務局長。今後、4試合日の2部制導入の可能性も探る。気温35度を超えることもある酷暑の甲子園。夢舞台を次世代に引き継ぐため改革を進める。

熱中症対策で第1試合補食 〇…高野連は今夏の甲子園で、その他の暑さ対策として、昨夏に続き5回終了時に10分間のクーリングタイムを設ける。また、昨夏は第1試合で熱中症の選手が散見された。専門家から朝食を十分食べていない選手が低栄養によって発症する場合があるとの助言を受け、第1試合の出場2校には主催者側から試合前に補食が提供される。また、コロナ禍の影響で19年大会を最後に行われていなかった甲子園練習を、今春センバツに続き5年ぶりに実施予定。8月2日から3日間、各校20分ずつ行う。

命が一番大事室伏長官評価 〇…夏の甲子園「2部制」導入を受け、スポーツ庁の室伏広治長官は「大会を行う上で生徒、アスリートの命が一番大事。テレビ放映などの関係はあるものの、対策を考えていただけた」と日本高野連の判断を評価。地球温暖化で暑さ対策は部活動を含め屋外競技の共通課題で「スポーツ全般できちんと取り組まなければならない。大会期間中だけでなく、普段の練習から安全に最善を尽くすことが重要」と危機感を口にした。

 U―18日本代表・小倉全由監督(日大三前監督)「選手の体調を考えてのことで、一番暑い時間を避けるのはいいこと。今は以前の暑さとちょっと違う。まだ大きな事故にはなっていないのかもしれないが、足をつっている選手が増えている印象で心配だった」

 健大高崎・青柳博文監督(今春センバツ優勝)「いろいろと考えてもらい、選手ファーストの取り組みはありがたい。まずトライすることが大事。どういう結果が出るかはそれからだ。(ナイターを想定し)日頃から慣れておく必要もある」

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