佐川満男さん19日に封切られた映画「あまろっく」が遺作に…60年歌手デビューも近年は主に脇役で活躍、朝ドラの常連

スポーツ報知
19日に公開した映画「あまろっく」が遺作となった佐川満男さん(c)2024映画「あまろっく」製作委員会

 ヒット曲「今は幸せかい」などで知られる歌手で俳優の佐川満男(さがわ・みつお=本名同じ)さんが12日午前3時14分、胆のう炎のため、神戸市内の病院で死去した。20日、所属事務所が発表した。84歳だった。故人の意向で、葬儀は妻ら近親者で執り行われた。しのぶ会の開催予定はない。

 所属事務所によると、最近は体調を崩して入退院を繰り返していたが、3月半ばから悪化し、入院が続いていた。2003年に胃がんで胃の3分の2を摘出。18年には脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)の手術を受けたが、その後も精力的に活動していた。

 近年は俳優活動がほとんどで、白いひげと丸メガネの特徴的なルックスで名脇役として活躍。鉄工所のベテラン職人役で出演し、遺作となった映画「あまろっく」(主演・江口のりこ、中条あやみ)が19日に封切られたばかりだった。舞台あいさつへの影響などを考慮して、公開翌日の公表になったという。

 佐川さんは1960年に「佐川ミツオ」の芸名で歌手デビュー。翌年、NHK紅白歌合戦に初出場した。その後、本名の「満男」名義で68年にリリースした「今は幸せかい」が大ヒットした。

 71年には歌手・伊東ゆかり(77)と結婚。長女(歌手・宙美=ひろみ)をもうけたが、75年に離婚。88年に一般女性と再婚した。

 紅白歌合戦には4回出場。「今は―」は盟友・中村泰士さん(20年死去、享年81)からの提供作で、歌手として大成しなかった中村さんがそのヒットを機に、作詞・作曲家に転向した逸話がある。18年には歌手活動再開を宣言した中村さんとライブで共演し「ギラギラしていてエエな。僕も負けない」と闘志を燃やしていた。

 ◆佐川 満男(さがわ・みつお)1939年11月9日、神戸市生まれ。60年に「二人の並木径」で歌手デビュー。歌手としてシングル152曲、アルバム7枚を発表。俳優でも活躍し、NHK連続テレビ小説は「ぴあの」(94年度前期)、「おちょやん」(2020年度後期)、「カムカムエヴリバディ」(21年度後期)など大阪制作分の常連。趣味は絵画で、個展もたびたび開催していた。

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