「野球って不思議だな」巨人・阿部監督が12安打も12残塁2点にため息 好機幾度もフイ「僕が教えてもらいたいぐらい」

スポーツ報知
7回2死一、三塁で大城卓(24)が見逃し三振。選手交代を告げにベンチを出る阿部監督(カメラ・朝田 秀司)

◆JERA セ・リーグ 広島6―2巨人(20日・マツダスタジアム)

 もがいて底は脱した。直近の4試合連続1得点以下で、その間40イニング2得点だった巨人打線。7回に岡本和の適時打などで27イニングぶりの得点となる2点を挙げたが、反撃はそこまでだった。12安打すべて単打で12残塁。引き分けを挟んで3連敗に、阿部慎之助監督(45)は「野球って不思議だなと思いながら見てたんだけどね。ヒットをこれだけ打ってもね」と、点を取る難しさを痛感した。

 1番に門脇、2番にオコエ、3番に坂本を起用。いずれも今季初めて入る打順だった。得点力アップのために日替わりオーダーで試行錯誤する中、19試合目で17通り目のラインアップで臨んだ。オコエ、坂本は3安打。11試合ぶり先発の6番・長野も安打を放った。1、3、4回は連打が出るも無得点。5回は2死満塁を生かせなかった。安打が出ても得点できない要因について、阿部監督が「僕が教えてもらいたいぐらい」と言うように、好機は幾度もつくれている。紙一重だが、そこでの“あと一本”が最も大事であることもまた事実。4度目の連打が出た7回に、ようやく得点が入った。

 投手では先発・井上が初回5安打4失点。2、3、4回は完璧だっただけに、重い先制点だった。「投入したのは僕だから。たら、ればだからね。大いにバッテリーには反省してもらって。それだけだね」と左腕を責めず、起用した采配に責任の矛先を向けた。立ち上がりの大量失点にもすぐ交代とせず、3回の攻撃でも代打を送らず4回まで投げさせた。次の打順が回るまで継投しなかったのは、リリーフ陣に負担をかけない投手起用とともに、何かをつかんでほしいというメッセージにも感じられた。

 6連勝で臨んだ甲子園、マツダでの昨年の上位2球団とのビジター6連戦は、2分け3敗となり、阪神と入れ替わって3位に後退した。3回2死一塁、坂本の右前安打で次打者が4番・岡本和の状況で一塁から三塁を狙ってタッチアウトになったオコエの走塁など、得点が重ねられていない現状では細かい部分も精度を高めていきたい。「今日は2点取れたし、なんかいいきっかけになればいいかな。あした、とにかく勝って(東京に)戻りたい」と阿部監督。まだ貯金は1つある。今は踏ん張りどころだ。(片岡 優帆)

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