J2山形が「特別な」思いを背負ってホーム3連勝

スポーツ報知
後半23分、追加点を決め喜ぶ山形・杉山(中央)(カメラ・岩崎 敦)

◆明治安田J2リーグ第11節 山形2―1愛媛 (20日・NDスタ)

 モンテディオ山形はMF杉山直宏(25)の移籍後初得点などで、愛媛を2―1で下し暫定7位に浮上。ベガルタ仙台に完敗した前節(13日)の「みちのくダービー」から復調し、ホーム3連勝で勝敗を五分に戻した。

 チーム内外に漂っていた嫌な空気を、1試合で一掃した。山形の渡辺晋監督は「ダービーで非常に悔しい思いをした中で、リバウンドメンタリティーを発揮してくれた選手やスタッフを頼もしく思う。山形一丸でつかんだ大きな勝利です」と言葉をつないだ。

 前半23分にFWイサカ・ゼインの今季3点目で先制。なおも攻め続けながら追加点が遠かった後半21分、MF気田亮真からMF坂本亘基、イサカから杉山とウィングの2枚替えを行った。直後の23分、左サイドから坂本亘が上げたクロスに杉山が頭で決めた。移籍後初ゴールを「多分(この日の)ファーストプレー。結果を残すことが一番分かりやすい」と喜び、指揮官も「交代した選手はチームにエネルギーを与えて欲しいと思っていた。あそこがキーになった」と振り返った。

 敵地で仙台に0―2と敗れた後、一部サポーターが指揮官や選手に水をかける愚行を働いた。クラブから無期限入場禁止を通告されたが、今週は練習後のファンサービスが中止になるなど大きな影響を及ぼした。イサカは明かす。「(渡辺監督から)『特別な思いを持って臨もう』と言われました。ナベさんはなかなか『特別』と言わない人。自分のところでは絶対に(自由に)やらせないと思って臨みました」。思いを全員が共有し、鬼気迫る表情でボールを追い続けた。

 試合後はゴール裏のサポーターと勝利のダンスを踊り、久しぶりに笑顔が戻った。マイクを渡された杉山は「やっと決めました~。J1昇格には連勝が必要なので応援よろしくお願いします!!」と叫び、大きな拍手を浴びた。今季の連勝は開幕からの2試合のみ。次節のアウェー・徳島戦(28日・鳴門大塚)から続くゴールデンウィークの連戦が、勝負どころになる。(岩崎 敦)

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