「悪童」ネリ来日「井上尚弥はパウンド・フォー・パウンド1位とは思わない。KOする」今年限りでの引退も示唆

スポーツ報知
ファイティングポーズするルイス・ネリ(カメラ・岡野 将大)

◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 4団体統一王者・井上尚弥―WBC同級1位ルイス・ネリ(5月6日、東京ドーム)

 4団体世界スーパーバンタム級統一王者・井上尚弥(大橋)に挑戦するWBC同級1位、WBA同級5位、WBO同級2位のルイス・ネリ(メキシコ)が21日、来日した。井上について「パウンド・フォー・パウンド(PFP、階級を超えた最強ランキング)で1位だとは思わない」「リスペクトはするが恐れてはいない。KOする」と言いたい放題。また、「今年の末に引退する。やりたいことがあるから。でも、5年後にも同じことを言っているかもしれないけどね(笑い)」と次戦で引退する意向を示した。

 19日(日本時間20日)に行われた試合2週間前の計量では規定の128ポンド(約57・98キロ)以下の127・6ポンド(約57・80キロ)。「この旅(米国から日本への移動)で少し増えたかもしれないが128ポンドくらいだと思う」と減量は順調に進んでいる。18年にWB山中慎介(帝拳)との世界戦の前日計量では上限体重を超過。日本ボクシングコミッション(JBC)から活動停止処分を科された経験を持つ。

 米メディア「ボクシングニュース」のインタビューでは「過大評価」、「平凡」、「自信過剰」などと挑発ともとれる言葉を口にした。さらに、「私が見る限りスピードがあって、賢い。パワーもある。だが、パンチを打つときに隙ができる。そのときこそ私の出番だ」と警戒しながらも勝利への道筋を明かした。「彼に勝てば今年一番の番狂わせになるかもしれない」と34年前、同じ東京ドームでジェームス・ダグラスが無敗のマイク・タイソン(ともに米国)を破ったのと同じように衝撃を与えるつもりでいる。

 自身は無敗でも王者でもないためノーリスクであることも強調。「彼らがこの戦いを受け入れたのは間違いだろう。この戦いに参加したことを後悔するだろう」とまで言っている。

 3月6日の会見では「再び日本の地を踏めて嬉しい。申し訳なかったと謝りたい」と頭を下げた。山中氏にも直接謝罪するなど殊勝な態度だったが、メキシコのプロモーター「サンフェル・ボクシング」公式フェイスブックで公開された動画では「計量オーバーに関しては、彼に申し訳なかったと思う。しかし、それは山中にであり、日本人の観衆にではない」と日本のファンに再び悪態をついている。「悪童」はやはり「悪童」だったようだ。

 戦績は31歳の井上尚が26勝(23KO)、29歳のネリが35勝(27KO)1敗。

 試合はPrime Videoで配信される。

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