里見で12連覇、福間で初女流名人 就位式でつるの剛士から祝福も

スポーツ報知
盾を手にする福間香奈女流名人(カメラ・小林 泰斗)

 将棋の第50期岡田美術館杯女流名人戦でタイトルを奪取した福間香奈女流名人(32)=清麗、女流王座、女流王位、倉敷藤花=の就位式(主催=報知新聞社・日本将棋連盟、特別協賛=(株)ユニバーサルエンターテインメント)が22日、東京・千代田区の「ザ・キャピトルホテル東急」で行われた。3期ぶりの復位となり、1月に結婚を発表して以来「福間」登録で初のタイトル就位式となった。

 久しぶりで、それでいて慣れ親しんだ女流名人就位式だ。「自分の力を出し切り、結果も出すことができ、皆さまとこうしてまたお会いすることができ、うれしく思っています」。見慣れた顔ぶれが並ぶ客席を見つめた福間からは自然と笑みがこぼれた。

 高校生の時に初奪取し、そこから女流名人12連覇の記録を持つ。2022年に伊藤沙恵女流四段に敗れたものの、今年1~2月、西山朋佳女流三冠に挑戦した五番勝負を3勝1敗で制し、3期ぶりに復位した。日本将棋連盟の羽生善治会長は福間・西山の番勝負について「2人の将棋は根本的に今までの将棋のセオリーや概念から離れ、非常に独自の創造性のある将棋を指していると興味深く思っている」と評した。

 女流名人番勝負は2期ぶり。「いいところも悪いところも出た」と振り返り「(50期という)節目の年に挑戦者として対局できることを幸せに思っていました。関係者の皆さまが『待っていたよ』と言ってくださったことがすごく励みになりました」と喜んだ。

 結婚を発表してからは初のタイトルだ。花束贈呈には将棋親善大使のつるの剛士(48)が駆けつけ「福間香奈女流名人就位おめでとうございます! 指輪がぴかりしてて…いいですね」と笑顔を見せると、福間も照れ笑いを浮かべた。

 自身への挑戦権を目指して戦う第51期女流名人リーグは新顔3人を迎え、開幕している。「結構年齢層が低くてフレッシュなリーグ戦かなとみています」と気を引き締める。今年度の目標は「目の前の対局に全力を尽くすこと」を掲げた。

 式の後は、出雲から来た母・里見治美さんが見守る中「小学生のころ先生の扇子をずっと使っていた」という大山康晴十五世名人の揮ごう女流名人盾を持ち、撮影。治美さんは「また奪還できて、すごく感慨深いものがあります」と娘にやさしいまなざしを向けた。(瀬戸 花音)

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