「ほんとにいつもいつもすみません」頭を下げた巨人連敗ストッパー 完封リレーのリリーフ陣に感謝の言葉

スポーツ報知
2勝目を挙げた山崎伊は試合後スタンドにサインボールを投げ入れる(カメラ・上村 尚平)

◆JERA セ・リーグ 巨人2―0中日(23日・ひたちなか)

 巨人が茨城・ひたちなかでの中日戦に快勝し、連敗を3で止め、7戦ぶりの白星を手にした。坂本勇人内野手(35)の初回の先制打、4回には萩尾の適時打で挙げた2点を、4投手の完封リレーで守り切った。今季6度目の完封勝ちは12球団最多。先発の山崎伊織投手(25)は7回途中3安打無失点の力投で2勝目を挙げた。9連戦の初戦を白星でスタートし、中日と入れ替わって2位に浮上した。

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 ベンチで、山崎伊は悔しさをむき出しにしながら祈るようにマウンドを見つめた。2点リードの7回。先頭への四球や安打で1死一、二塁。マウンドに向かった阿部監督に「今日はちょっと高梨に任せてくれ」と声をかけられた。6回1/3、87球を投げ、3安打無失点、4Kで降板。後を抑えた高梨へお立ち台では「梨さんにピンチで投げてもらって、ほんとにいつもいつもすみません」と頭を下げたが、今季初勝利を挙げた鹿児島でのヤクルト戦に続いて、地方での2度目の登板で2勝目をマークした。

 連敗ストッパーの役割は果たした。「先週は引き分けと負けやったんで、今日は絶対何が何でも勝ちたかったんで勝ててよかったです」。最速149キロの直球にカットボール、スローカーブなどで両コーナーを突き、3回まではパーフェクト。序盤の強い雨にも乱れなかった。「3イニングまでは今まで投げた中で一番感覚はよかった」と振り返り、それ以降は走者を背負ったがしっかりと無失点に抑えた。指揮官も「すごく粘り強く頑張っていたし、最後ちょっとしんどくなってきたなっていうところで代えたけど、本当ナイスピッチングでした」とたたえた。

 強い思いでマウンドに上がった。9回を抑えた大勢は試合後に「伊織のアニキが今日の朝、風邪気味みたいで体調がよくないって言っていた」とこっそり明かした。「ブルペンはみんなそれを知っていたので準備していましたし、みんなでつないでその結果、伊織さんに勝ちがついてよかった」と守護神。背番号19の強い思いがリリーフ陣にも届き、チームに明るい光をもたらした。

 降板の場面について水を向けられ、真摯(しんし)に成長を誓った。「投げ切りたいところではあったんですけど、今日は絶対に落としたくない試合だったと思うので、次は自分に任せてもらえるように、実力をつけられるように頑張ります」。悔しさを糧に信頼をつかみ取る。(水上 智恵)

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