「ビックリする間もなく…」山本由伸を突然襲った強烈ピンチ 倒れ込みながら対応敵地ながら大歓声

スポーツ報知
ナショナルズ戦に先発し、6回無失点の好投で2勝目を挙げた山本(ロイター)

◆米大リーグ ナショナルズ1―2ドジャース(25日・米ワシントンDC=ナショナルズパーク)

 ドジャース・山本由伸投手(25)が25日(日本時間26日)、6回4安打無失点で3試合ぶりの2勝目を挙げた。投手強襲のライナーを好捕するスーパープレーもあり、自身2連勝。調整法の工夫や捕手との呼吸などもあり、ストライク率72%と制球力の高い本来の投球が戻ってきた。また大谷翔平投手(29)は「2番・DH」でフル出場も4打数無安打。連続試合安打は9、連続試合出塁は22で止まった。

 日本で見慣れた山本がそこにはいた。1点リードの6回2死一、二塁。ルイーズを遊ゴロに仕留め、小さく手をたたいた。6回4安打無失点。三塁を踏ませず、2勝目だ。最速96・8マイル(約156キロ)で97球のうち70球がストライク。「いいバランス、力感で投げられた。割とストライクも取っていけました。ここまでの中では一番自分らしい投球だった」。敵地では11回連続無失点。7Kでリーグ5位の37奪三振とした。

 唯一、肝を冷やしたのが5回。先頭・ロサリオの打球速度104・8マイル(約169キロ)の強烈なライナーが顔面付近へ。倒れ込みながら即座にグラブを出しキャッチし、敵地ながら大歓声を浴びた。「ビックリする間もなくボールが来ていたので(笑い)。運が良かったです」。ロバーツ監督は「『もう少しで死にそうだった』と言っていたよ(笑い)。うちに来てからベストの登板」とたたえた。

 登板2日前だけでなく、前日の24日(同25日)もブルペンに入った。「遠投をして、いい感覚があったので傾斜で確認しておこうと」と日本時代と同じ調整法だ。セットポジション時のグラブの位置を腹部から胸の前に戻したように、“日本式”と試行錯誤しながら進化を求めている。

 正捕手・スミスではなく、バーンズと2度目のバッテリーを組んだ。34歳のメキシコ代表捕手はフレーミング技術に優れ、通算210勝のカーショーの専属捕手だ。バーンズがマスクをかぶった試合は11回連続無失点で2戦2勝。オリックス時代も若月が“専属”だったが「前回登板後にスミスから配球の助言をたくさんもらいましたし、投球に生かせた」と2人に感謝した。

 デビュー戦の3月21日、パドレス戦(韓国・ソウル)では1回5失点KO。防御率45・00だったが、3・54まで改善された。「やっぱり(メジャーは)スイングがすごく強いし、日本の打者は当てるのが上手。ちょっとタイプが違う」。3年連続MVP&沢村賞の背番号18には「0」を並べる姿がよく似合う。(中村 晃大)

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