「一球一球、魂を込めて」巨人の今季初先発「タワーマン」が5回0封で初勝利 阿部監督も絶賛「100点です」

スポーツ報知
4回1死一、二塁、関根大気を一ゴロ併殺に打ち取った横川(カメラ・相川 和寛)

◆JERA セ・リーグ DeNA1―2巨人(27日・横浜)

 巨人がDeNAを下した。開幕2軍スタートで今季初先発の横川凱投手(23)が5回3安打無失点と好投し、今季初勝利を挙げた。

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 久しぶりの先発のマウンドを楽しむように横川凱投手(23)はのびのびと腕を振った。2―0の5回、この日初めて走者を許さず、テンポ良く打者3人を打ち取り役目を終えた。今季初先発で5回89球を投げ、3安打無失点。昨年5月18日のヤクルト戦(神宮)以来の先発での白星となる今季初勝利を挙げ「すごいここ(今季初先発のチャンス)で勝てたのは大きいと思います。(今後)どこで任されるかわからないですけど、去年以上の成績を残せるように頑張りたい」と胸を張った。

 140キロ台の直球にカットボール、カーブなど多彩な変化球でDeNA打線を翻ろうし「一通り全部よかった」と好感触。守備では2回1死一塁でけん制でアウトを奪うなど投球以外でも躍動。開幕こそ2軍で迎えたが、14日からロングリリーフ枠で昇格してようやく巡ってきたチャンスに「一球一球、魂を込めて投げるだけ」と全力で向き合った。阿部監督も「100点です」と拍手を送った。

 憧れの存在との日々が横川を大きくした。小学6年の卒業文集には尊敬する野球選手にダルビッシュや大谷に加え、杉内投手チーフコーチの名前を記した。入団後はその憧れの存在と練習に励んできた。昨季は190センチの長身からタワーマンと呼ばれ、プロ初勝利を挙げるなど4勝8敗、防御率3・95と飛躍。そのフォームを試行錯誤している時に「上体に頼ることなく下半身から連動して投げることが大事」と助言をもらった。昨季は3軍コーチだった師匠には何かあるとすぐに連絡。杉内コーチも「直球の質はよくなっているし、もっと上を目指せる」と期待していた。「僕も杉内さんに憧れてプロ野球選手になりたいと思った。そういう投手に近づけるようになりたい」。自らが心を動かされたように、子供たちの憧れの存在を目指す。

 これで中継ぎ3登板も合わせて今季9イニングを無失点で防御率0・00と抜群の安定感を誇るも「日々任されたところでしっかりするだけなので過去は振り返ってないです」とクールに語った左腕。常に前を向き、置かれた場所で花を咲かせる。(水上 智恵)

◆高木豊氏「テンポよく安定感」

 横川は、まずテンポが良かった。自信の表れか捕手のサインに遠慮なく首を振って、投げたい球を投げ込んでいた。変化球が低めに決まり、腕も十分に振れていたから、ゴロアウトが多く、安定感があった。ひとつだけ気にいらなかったのは、右打者の外角から入れてくるスライダーが、ことごとく高めに行ってしまっていた点。それがなければ満点だった。

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