中国戦で一発レッドのU―23西尾隆矢、五輪切符獲得で恩返し「精いっぱいやる」 29日・イラク戦

スポーツ報知
イラク戦に向けた練習を行う西尾

◆U―23アジア杯準決勝 日本―イラク(29日・ジャシム・ビン・ハマド・スタジアム)

 【ドーハ(カタール)27日=後藤亮太】U―23日本代表のDF西尾隆矢(22)が、「感謝」の思いを胸に大一番に臨む。8大会連続12度目の五輪出場に王手をかけて29日(日本時間30日)に準決勝でイラクと対戦する。1次リーグ(L)初戦の中国戦で退場処分を受けた副主将は、3試合の出場停止処分が明けて、イラク戦から出場可能となる。勝てば五輪切符獲得となる運命の一戦に向けて「チームの力になれることを精いっぱいやる」と決意を示した。

 五輪切符のかかる大一番を前に、西尾の心はある思いであふれていた。「一言で言えば本当に感謝です。メンバー、監督、コーチ、スタッフ全員に感謝ということだけです」。中国戦の前半17分の一発退場から、3試合の出場停止処分を経て、準決勝のイラク戦からプレー可能に。準々決勝までにチームが敗退していたら、立てなかったピッチだからこそ「感謝」の思いが尽きることはなかった。

 準々決勝のカタール戦で、チームが延長120分の激闘を制した試合後にも「まず、第一声に『本当にありがとう』っていう言葉を全員にかけました」。この3試合ピッチ外で、4人の副主将の1人としてチームを支えた。1次L第3戦の韓国戦(0●1)で敗れた翌日に行われた選手間ミーティングで全員の前で思いを伝えた。「自分たちは1人じゃない。こんなに素晴らしい仲間がいるんだから、しっかり自信を持ってやれば絶対勝てる。本当に応援しているし、勝ってくれることを信じている」。「隆矢の分まで」と、口にして戦ってくれた選手たちに向けた最大限のエールだった。

 結束力を高め、チームは準々決勝を制した。その戦いをスタンドから見届け「皆が必死になって戦ってくれているので、こみ上げるものもたくさんありました」と心を震わせた。今度は恩返しをする番だ。28日のイラク戦に向けた公式会見に臨んだ大岩剛監督(51)も「23人で準備をすることが出来ますので、西尾を含めたチーム全員がしっかりと勝ちにつなげる準備をしたい」と強調。西尾も「試合を見ていてウズウズしている気持ちもある。チームの力になれることを精いっぱいやってパリを決めたい」。対人に強い主力DFの復帰は、セットプレー守備に不安を抱えるチームにとってプラス。23人がそろった大一番で、五輪への切符をつかみ取る。

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