J3福島がJ史上4度目の9得点以上 J3新記録で快勝…「スキを逃さず、ゴールまで最短距離でいこう」

スポーツ報知
ハットトリックを達成しサポーターへあいさつする福島・塩浜

◆明治安田J3リーグ第11節 福島9―0岩手(28日・とうスタ)

 福島ユナイテッドはいわてグルージャ盛岡にJ3新記録の9―0で圧勝。Jリーグ全体でも19年のJ2柏対京都(13―1)に次ぐ得点数で、9得点以上は98年のJ1磐田対C大阪(9―1)、23年のJ2清水対いわき(9―1)以来4度目の快挙だ。FW塩浜遼(23)が前半だけでハットトリックを決め、3月17日の松本戦以来8試合ぶりの勝利を飾った。

 気温28・8度と真夏の日差しが降り注ぐ中、福島イレブンが熱いゴールラッシュを披露した。前半16分に先制点を決めた塩浜は21分、37分にも得点し、プロ初のハットトリック。「リードしている中でも全員がゴールを奪いにいく姿勢を見せられた。いいきっかけになると思います」と笑った。

 FW樋口寛規も直接FKを含む2得点し、前半だけでクラブ史上最多の5得点を上回る6ゴール。久々の勝利が見えて気が緩みがちになる展開だが、ハーフタイムには選手同士で「試合が終わるまでは何も得ていない」「どんどん取りに行こう」という声が飛び交った。言葉通りに後半は3点を追加してJ3新記録を樹立。勝利時に披露する「わらじ踊り」でサポーターと喜びを分かち合った。

 J1川崎のコーチとして数々のタイトルを獲得した寺田周平氏が今季から監督に就任。川崎のような縦に鋭いパスを入れる攻撃的スタイルを模索したが、直近は7戦連続未勝利と苦しんだ。指揮官は試合前に「スキを逃さず、ゴールまで最短距離でいこう」と選手を鼓舞。縦に攻め続けて19本のシュートを放ち、そのほとんどが枠内へ飛んだ。塩浜は3本で3得点、樋口も2本で2得点。川崎時代の教え子で期限付き移籍中のDF松長根悠仁とMF大関友翔にもゴールが生まれた。

 18位から13位に浮上し、得失点差でも大きなアドバンテージを得た。「この結果が今後の後押しになります」と寺田監督。ゴールこそが、V字回復へ最大の良薬だ。

(岩崎 敦)

 ◆Jリーグの最多得点試合 19年11月24日のJ2柏対京都(13―1)が最多。J1では98年4月15日の磐田対C大阪(9―1)。J3はこれまで8得点(15年3月21日・山口8―0U―22選抜、21年6月13日・長野8―1鳥取)が最多だった。

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