大谷翔平が3戦ぶり無安打、122メートル中飛は本拠なら本塁打になっていた…因縁トロントのファン3日連続ブーイングの訳は

スポーツ報知
ブルージェイズ戦で4打数無安打だった大谷(ロイター)

◆米大リーグ ブルージェイズ3―1ドジャース(28日・カナダ・オンタリオ州トロント=ロジャースセンター)

 ドジャース・大谷翔平投手(29)が28日(日本時間29日)、敵地でのブルージェイズ戦に「2番・DH」で先発出場。4打数無安打と3試合ぶりに沈黙したが、あとひと伸びで本塁打という大飛球もあった。移籍最終候補に残っていたこともあり、ブーイングが鳴りやまなかったトロント3連戦。その中で敵軍選手も称賛した大谷の存在感を中村晃大記者が「見た」―。

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 力なく上がった大谷の打球を見て、敵地は歓声に包まれた。2点を追う8回無死二、三塁。一打逆転の絶好機で高めのボール球に手を出し、二飛に倒れた。この日は4打数無安打で3戦ぶりのノーヒット。ロバーツ監督は「彼はミスしたけど、野球にはそういうこともある」とかばったが、3日間ブーイングを浴びせ続けたトロントのファンにとっては胸がスッとする試合になっただろう。

 因縁があった。昨オフ、ブ軍は大谷の移籍先の最終候補。最終局面で「大谷がトロント行きの飛行機に乗った」という誤情報が飛び交ったこともあり、ドジャース移籍後初対戦だった今カードはブーイングが鳴りやむことはなかった。先発のガウスマンは「彼はブーイングにも対処しないといけなかった。でも、あれはファンがそれほど翔平に来てほしかったということ」。その中で初戦は先制ソロ、2戦目は菊池から自己&球団&今季MLB最速打球速度119・2マイル(約191・8キロ)の右前適時打を放つなど、圧倒的な存在感を見せた。

 3戦目も見せ場はつくった。初回1死。昨季最多奪三振のガウスマンの83・2マイル(約134キロ)スプリットを捉えたが、中堅・バーショの好守に阻まれた。飛距離402フィート(約122・5メートル)の中飛。米データサイト「Baseball Savant」によると、本拠地・ドジャースタジアムなら本塁打という当たり。バーショは「真っすぐ飛んできたけど、後方に伸びてきた」と振り返り、「(打球速度)119マイル(約191・5キロ)の打球が来るかもしれないし、間を破る95マイル(約153キロ)の打球が来るかもしれない。外野手はいつでも準備しておかないと」と打球の“特異性”を証言した。

 結果的には無安打でチームの連勝は「6」でストップ。29日(同30日)からは昨年プレーオフの地区シリーズで敗れたDバックスと今季初対戦する。大谷は相手先発・ヘンリーから昨季飛距離150メートルの特大弾を放っており、悲願の世界一へ再スタートを切る。

(メジャー担当・中村 晃大)

 ◆大谷とブルージェイズの因縁 エンゼルスからFAとなり契約交渉の大詰めを迎えていた昨年12月、一部米メディアが「大谷が(ブルージェイズの本拠地)トロント行きのチャーター機に乗った」と誤報。実際は別人だった。ブルージェイズも大谷獲得に乗り出し、最終候補の1球団とされていたこともあり大騒動になった。

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