柔道ロス五輪の星が全日本選手権初V…100キロ超級の23歳、決勝でリオ銀メダリストに判定勝ち「夢みたい」

スポーツ報知
初優勝で胴上げされる中野寛太(カメラ・小林 泰斗)

◆柔道 全日本選手権(29日、日本武道館)

 体重無差別で争われ、中野寛太(23)=旭化成=が初優勝を果たした。決勝は男子100キロ超級で16年リオ五輪銀メダルの原沢久喜(31)=長府工産=に2―1の旗判定で勝利。悲願のタイトルを手にし、28年ロサンゼルス五輪での代表入りへ意欲を示した。原沢は6年ぶり3度目の頂点に届かず。前回覇者の王子谷剛志(31)=旭化成=は準決勝で中野に敗れた。

 悲願の柔道日本一の称号を手にした中野は、日本武道館の天井を見上げて感極まった。原沢との決勝を2―1の旗判定で制し「夢みたい。何が何でも取りたかったタイトル。1年間、優勝するためだけに頑張ってきたのが報われた」。天理大OBでは現監督の穴井隆将氏以来、11年ぶりのV。大会前、付きっきりで1週間鍛え上げてくれた恩師の思いにも応えた。

 天理高時代から最重量級のホープと期待され、斉藤立(22)=JESグループ=としのぎを削ってきた。だが、パリ五輪代表争いでは大きく後れを取って落選。この1年は睡眠を5時間から8~9時間に、生活面から見直した。優勝インタビューでは「ロス五輪も狙っていく」と宣言。4年後を見据え、かつてのライバルに「絶対意識しないといけない選手」と、再び挑む決意を示した。(林 直史)

 ◆中野 寛太(なかの・かんた)2000年9月30日、奈良県生まれ。23歳。奈良・桜井市連盟で5歳から柔道を始め、天理中―天理高―天理大―旭化成。男子100キロ超級で天理高2年時に全国高校総体優勝。23年講道館杯優勝。182センチ、128キロ。得意技は払い腰。左組み。趣味はドライブ。

 8年ぶり旗判定復活 試合時間も4→5分に延長 〇…今大会では8年ぶりに旗判定が復活。延長戦は行わず、試合時間も4分から5分(決勝は8分)に延びた。近年は国際大会にほぼ準じたルールで行われてきたが、1948年に始まった伝統の大会の価値を守るために独自路線へ回帰。全柔連の金野潤強化委員長は「旗判定の面白さは新鮮だった。一つの形として確立していくんじゃないか」と期待を込めた。

スポーツ

×