羽賀龍之介は強化指定辞退で覚悟の挑戦も3回戦敗退「準備の部分で悔いはない」…柔道全日本

スポーツ報知
開会式でスタンドに手を振る羽賀龍之介(カメラ・小林 泰斗)

◆柔道 全日本選手権(29日、日本武道館)

 体重無差別で争われ、2020年大会覇者の羽賀龍之介(旭化成)は3回戦で敗れた。佐藤和哉(日本製鉄)に旗判定で1―2。今大会最年長で選手宣誓も務めた33歳は「次につながるという年齢でもないし、内容がどうとかは関係ない。結果が全てなので、負けた試合」と受け止めた。

 決勝で敗れた昨年の全日本選手権後、体重無差別で日本一を決める戦いへの思いを強めた。昨年11月には「何かを捨てないと、この強烈な目標には走れない」と全日本柔道連盟に強化指定の辞退届を提出。16年リオ五輪男子100キロ級銅メダリストはこの1年、個人戦に一度も出場せずに今大会へ懸けてきた。

 佐藤との3回戦は会場からの声援もひときわ、大きかった。「守りに入って自分らしくない柔道をしたり、勝負だけにこだわった柔道をしたくないなっていうふうに思った。最後は残ってる力を全部振り絞る気持ちで戦った」。4年ぶりの頂点には届かなかったが「本当は良い形で結果を残したかったけど、準備の部分で悔いはない」と振り返った。

 33歳は進退について「最終的には自分で判断するが、いろんな人と相談が必要」と明言を避けた。ただ「ここまで1年かけて準備してきた。達成感という言葉は合ってないかもしれないが、一つ、戦い終わったというホッとした気持ちは正直ある」。覚悟を決めて臨んだこの大会が、競技生活の一つの区切りとなる可能性も示唆した。

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