福本豊氏、阪神の負けない強さを実感も攻撃陣に一抹の不安「ストライクゾーンを見失わないように」

スポーツ報知
9回1死二塁、高めを見逃し、ストライクを取られた佐藤輝明(カメラ・渡辺 了文)

◆JERAセ・リーグ 広島2―2阪神=延長12回規定により引き分け=(1日・マツダスタジアム)

 追いつかれはしたものの、負けないのが阪神の強さだ。前日(4月30日)に村上が一人で投げ抜き、惜しみなくリリーフをつぎ込める状況をつくっていた。極端な前進守備でピンチをしのいだ12回の采配を含め、優れたベンチワークの賜物(たまもの)と言える。

 貯金を抱え込み、独走の気配となってきたが、攻撃陣には一抹の不安が漂う。2回の梅野の見逃し三振、9回に佐藤輝が左飛に倒れた直前の内角へのカットボールは明らかに高めのボール球に見えた。12回の佐藤輝への初球の外角低めの直球も際どく、その後のスプリットに手を出し、三振に倒れた。

 もちろん球審の判定は絶対だから仕方がないが、打者はたった1球で打撃の状態が変わる。ましてやストライク、ボールの見極めは、猛虎打線の最大の武器だ。移動日を挟んで3日から巨人戦。各選手がいつも通りのストライクゾーンを見失うことなく、切り替えて臨むことが大切だ。(スポーツ報知評論家・福本豊)

野球

×