道新旭川政経文化懇話会の4月例会が11日、アートホテル旭川で開かれ、JR北海道の綿貫泰之社長(62)=旭川市出身=が講演した。綿貫氏は富良野線や石北線など、JRが存続を前提に見直しを進める赤字8区間(通称・黄色線区)について、「鉄道として残したい気持ちに変わりはない」とした上で、維持に向けた地域との議論を「もっと深化、加速化させていく」と語った。
「JR北海道のこれまでの歩みと現在の課題」と題して講演した。綿貫氏は高速道路延伸や人口減少で「最も稼げる都市間の特急利用者が道内は年々減少している」と課題を指摘。そうした中で修繕費を減らした結果、石勝線の特急脱線炎上事故などを招き、「安全な線路維持が困難だともっと早く言い出すべきだったと反省している」と述べた。
現在の経営構造では年間200億円の赤字が続くと説明。黄色線区のあり方について「徹底した利用促進とコスト削減に知恵を絞る。その結果のデータを基に地域と議論していく」と語った。
また2026年度までに旭川でサービス付き高齢者住宅を開業するとしたほか、新たなホテル建設を検討する可能性も示した。一方、旭川市などが要望している北海道新幹線の旭川延伸については「並行在来線の課題を解決しないといけない」とするにとどめた。
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