大の里新小結 大相撲夏場所 昭和以降2位のスピード昇進 朝乃山小結復帰、東西で並ぶ

新小結に昇進し、番付表を持つ大の里=30日、茨城県阿見町の二所ノ関部屋

 日本相撲協会は30日、大相撲夏場所(5月12日初日・両国国技館)の番付を発表し、津幡町出身の大の里(23)=日体大OB、二所ノ関部屋=が西小結となった。デビューから所要6場所の新三役は逸ノ城に次ぎ昭和以降2位のスピード昇進。大の里は会見で「先場所は優勝というものが夢から目標に変わった瞬間でもあった。優勝という目標を持ち続けて頑張りたい」と気持ちを新たにした。

  ●遠藤以来の県勢6人目

 石川県勢の新小結は2018年夏場所の遠藤(穴水町出身、金沢学院大附属高OB、追手風部屋)以来6年ぶりで、戦後6人目。元大関の朝乃山(富山市出身、高砂部屋)が2021年秋場所以来の三役復帰で東小結に就き、北陸勢が東西小結に並んだ。

 新入幕から所要2場所で新三役は1場所の逸ノ城らに次ぐ速さで、01年夏場所の朝青龍以来となる。

  ●まげ姿披露

 茨城県阿見町の二所ノ関部屋で会見した大の里は初めてちょんまげ姿を披露。「いよいよこれからだなと思ったし、これでようやくお相撲さんになれた」とはにかんだ。

 大の里は春場所で千秋楽まで尊富士と優勝争いを演じ、敢闘賞と技能賞を獲得した。新入幕から2場所連続で11勝の好成績を収め、一気に番付を上げた。

 昨年9月に20歳未満の幕下以下力士と飲酒したことにより、日本相撲協会から4月22日に厳重注意を受けた。ともに会見の冒頭で謝罪した師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は「今後は大の里を相撲道にまい進させていく」と述べた。

  ●「上り詰めて」ふるさと津幡、喜び

 大の里のふるさと津幡町では30日、「横綱まで上り詰めてほしい」と期待の声が上がった。

 大の里の父・中村知幸さん(48)は同日朝、本人から番付表の写真がLINE(ライン)で送られてきたといい「字がまた大きくなったと思った。ありがたい。まだまだ先がある」と語った。協会から厳重注意を受けたことについては「責任も大きくなる。脇を締めてしっかりやってもらいたい」と話した。

 地元後援会長を務める矢田富郎町長は「大変うれしい。上に行けば行くほど、相撲は厳しくなる。夏場所もこれまでと同様の活躍を期待したい」と述べた。

 同町南中条の池田外茂枝さん(75)は「地元力士の活躍は元気が出る。横綱まで上り詰めてほしい」と願った。

 町文化会館シグナスでは後援会が贈った化粧まわしを着けた大の里の等身大パネルや、3月の春場所で獲得した三賞のトロフィーが新たに展示された。

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