「木造長屋」仮設、初の100戸 輪島・南志見に完成

石川県内で初めて完成した木造長屋型の応急仮設住宅=輪島市里町

  ●県産材ふんだん、長期使用可 

 能登半島地震は1日、発生4カ月を迎えた。輪島市里町の南志見(なじみ)多目的グラウンドでは30日、石川県が被災者向けに整備していた「木造長屋型」の応急仮設住宅100戸が完成した。全27棟で、外壁や床材に県産木材を使い、周辺の景観に配慮し、黒瓦屋根を用いた。木造の仮設住宅の完成は初めてとなる。

 部屋のタイプは1DK54戸、2DK42戸、3K4戸で、14日に入居が始まる予定。木造の仮設住宅はプレハブと比べて長く使用でき、原則2年間の入居期間後も市営住宅に転用するなど被災者が長く住み続けることができる。

 石川県が30日に発表した地震の被害状況によると、各市町に開設された1次避難所やホテルや旅館の2次避難所などに身を寄せる避難者数は4606人となり、前回発表の26日から389人減った。住宅被害は185戸増の7万8568戸となった。

 断水は輪島市、珠洲市、能登町の3780戸で続いている。国や県は仮設管を設置するなどして5月末の解消を目指すが、珠洲市では見通しが立たない地区もある。解消エリアでも自宅内の配管が損傷し、通水していない住宅も多い。

 災害関連死を含む死者数は245人、行方不明者は3人で変わっていない。

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