和倉の旅館、本格営業 花ごよみ修繕完了、一般客受け入れ

本格的な営業を再開した旅館「花ごよみ」=七尾市和倉温泉

  ●組合加盟で初

 能登半島地震で甚大な被害を受けた七尾市和倉温泉の旅館「花ごよみ」が3日、本格的に営業を再開した。破損したボイラーや配管の修繕が完了したことから予約を受け入れ、初日は全10室が満室となった。和倉温泉旅館協同組合によると、加盟する21旅館・ホテルで一般客の受け入れを再開したのは初めてとなる。

 北村金次社長(67)によると、建物に大きな被害はなかったが、源泉と旅館をつなぐ配管が損傷して温泉が出ない状態が続いた。水道などの復旧業者を中心に受け入れていたが、2日に修繕が完了し、旅行者の受け入れを始めた。

 初日の宿泊客は、源泉掛け流しの温泉や七尾湾の海の幸を堪能。岐阜県多治見市の大野雅広さん(51)は、旅行サイトで空きを見つけて家族3人で訪れた。「和倉には初めて来たが、とてもいいお湯で体に染みる」と満足した様子だった。

 北村社長は「営業を再開し、やっと生活できるようになった」と安堵した。

 石川県は能登半島エリアに特化した旅行割引事業を年内にも実施する方向で調整を進めている。北村社長は「和倉温泉全体の復興に向けて、息の長い支援をしてほしい」と求めた。

© 株式会社北國新聞社