土台破損、90年ぶり改修 砺波・太郎丸八幡宮 門柱、灯籠傾き亀裂

修復を行う太郎丸八幡宮工事の安全を祈願する出席者=砺波市太郎丸

  ●被害拡大懸念、秋までに完了

 砺波市太郎丸の太郎丸八幡宮が90年ぶりに改修することになり、9日、安全祈願祭が行われた。能登半島地震後の点検で建物の土台の破損があり、門柱、灯籠(とうろう)などの石造物では傾きや亀裂、陥没が確認された。今後、災害が起きた場合に損傷が拡大することが懸念されるため、修復を急ぐ。9月の秋季大祭までの完了を目指す。

 改修工事は1934(昭和9)年に拝殿を建てて以来となる。太郎丸八幡宮は1473(文明5)年の創建と伝わる。太郎丸中央、堀田島、豊町、三島町の4町内会の住民が氏子となっている。関係者によると、破損のうち、本殿の土台で見つかった亀裂は新しく、1月1日の地震によるものとみられる。

 能登半島地震では県内各地の神社で大きな被害が発生、再建が地域住民の深刻な問題になっている。4町内会と氏子役員らは年明け以降、会合で神社の現状に危機感を抱き、放置できないとの結論に至った。先送りした場合の資材高騰に対する懸念もあった。

 修復工事では、本殿と拝殿の土台を強化する。門柱や灯籠の傾き、拝殿の犬走りの亀裂、玉垣の陥没、亀裂、壊れた手水舎の吐水龍をそれぞれ修復する。本殿の外壁も張り替える。

 安全祈願祭では氏子総代の本田勝代表(79)や4町内会の代表、工事関係者の約20人が出席し、祝詞奏上の後、玉串を捧げた。本田代表は「お宮さんを大切に思うきっかけにしてもらい、参拝を通してさらに親しんでほしい」と話している。

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