生徒進路希望先一覧を紛失 尾鷲高教諭、30人分 三重

 三重県立尾鷲高(尾鷲市)は1日、進路指導を担当する60代男性教諭が3年生30人の進路希望先を記した書類を紛失したと発表した。書類には、生徒らが就職を希望する具体的な企業名などを記載していた。校舎内で紛失したとみられる。

 同校によると、この書類には生徒の氏名や出席番号に加え、進学と就職のどちらを希望するかなどを一覧で記載。うち約半数の生徒については、就職を希望する企業名も記載していた。

 男性教諭は先月24日午後3時半ごろ、この書類を使いながら校内の進路指導室で生徒2人と面談した後、書類をズボンのポケットに入れた。同5時ごろ、書類がないことに気付いたという。

 この間、教諭は自らが担当している部活動の状況を確認するために5分間ほど進路指導室の外に出たが、その際に書類をポケットに入れたままにしていた。校舎外には出なかったという。

 教諭が教頭に申し出て発覚。同校の全教職員が25、26両日に書類を探したが、見つからなかった。教諭は30日のホームルームで生徒らに謝罪し、保護者にも電話で謝罪した。

 同校はこの書類を室外に持ち出すことを禁止していた。教諭は書類をポケットに入れたまま室外に出た理由について「部活動の状況を確認するために慌てていた」と説明しているという。

 同校は「朝礼や職員会議で個人情報の管理に注意喚起する中で、紛失が起きたことを重く受け止めている。研修で文書管理のルールを徹底させるなど、再発防止に取り組む」としている。

 県教委教職員課は「個人情報の管理を徹底するよう再三にわたって求めてきたが、改めて注意喚起を図る」と説明。教諭への処分は「するかどうかも含めて今後、検討する」としている。

© 株式会社伊勢新聞社