コンビニ業界の人手不足が深刻化している。各社でセルフレジ導入などによる省人化や、人材獲得・育成の強化、24時間営業の見直しなどが進んでいるものの、成果が現れるにはまだまだ時間がかかりそうだ。実際、経済産業省が19年8月に実施したコンビニ従業員へのアンケート調査でも、コンビニ運営の課題のトップは「人手不足」という結果が出ている。労働力が足りていない中、従業員の働き方はどうなっているのだろうか。
経産省の調査は、従業員の勤務状況や仕事への満足度などについて、1年以内にコンビニ勤務経験のある従業員500人から回答を得たもの。同省によれば、「出勤頻度が高い人ほど労働時間が長い」「勤務年数が長いほど出勤頻度が高く、労働時間も長い」といった傾向があるという。コンビニで働けば働くほど、負担が増えている状態だ。
例えば「ほぼ毎日出勤している」人の割合は、勤務年数が1年未満では5%前後だが、1年以上になると1割を超えるようになり、3年以上では17.4%まで増える。1出勤日あたりの労働時間も、勤務年数が1年以上になると「8時間以上〜12時間未満」「12時間以上」など、一般的な企業の所定労働時間(7〜8時間)を上回る人の割合が増加し、2割近くを占めるようになる。
従業員の立場別で見ると、最も負担が大きいのは「加盟店で採用されている社員」(以下、加盟店社員)だった。出勤頻度は「週4〜5回」が46.5%、「ほぼ毎日」が25.6%と、他の従業員と比べて高い。労働時間も「8時間以上〜12時間未満」が39.5%と最も多く、「12時間以上」も9.3%と約1割を占めた。
また、オーナーの家族にも人手不足のしわ寄せがいっているようだ。「ほぼ毎日出勤している」人の割合は25.0%と、加盟店社員と同程度。労働時間は「5時間以上〜8時間未満」(54.2%)が半数を超えたが、「12時間以上」も8.3%いた。
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