既報の通り、米カリフォルニア州クパチーノのApple本社で、9月7日(現地時間)にiPhoneの最新モデルとなるiPhone 14シリーズが発表された。ラインアップは、「iPhone 14」に加え、その大画面版となる「iPhone 14 Plus」が登場。“Pro”の名がつく高機能版は、「iPhone 14 Pro」と「iPhone 14 Pro Max」の2機種が発売される。
モデル数は、2020年のiPhone 12シリーズで「iPhone 12 mini」が加わって以降、4機種構成が続いているiPhone。一方で、iPhone 14シリーズでは、それぞれの持つ役割が微妙に変化している様子もうかがえた。どの1機種を選ぶかは、それぞれの位置付けを知ることで見えてくる。iPhone 14シリーズのラインアップを改めて振り返りつつ、その戦術を考えていきたい。
4機種展開を継続したiPhone 14シリーズだが、最小サイズのiPhoneである「mini」は最新のラインアップから姿を消した。グローバル市場を見ると、ハイエンドスマートフォンは大画面化に向かっており、miniシリーズは販売不振も伝えられている。
日本市場では一定の人気を誇る端末だったが、Appleは「iPhone 13 mini」の販売を継続している上、「iPhone SE(第3世代)」も販売している。毎年ナンバリングモデルとしてminiを投入する必要はないという判断をした可能性が高い。
代わりにラインアップに加わったのは、6.7型のiPhone 14 Plusだ。iPhone 14との違いは主にディスプレイや本体のサイズだけで、非公表だが、恐らくバッテリーも増量されている。サイズ感は、Proモデルにラインアップされていた「Max」とほぼ同じだ。実際、iPhone 14 Pro MaxとiPhone 14 Plusを並べてみると、ほぼ同じようなサイズ感であることが分かる。
一方で、iPhone 14と同じアルミフレームを採用していることもあり、ステンレススチールをボディーに使ったiPhone 14 Pro Maxより、手に取ると明らかに軽いと感じる。重さは200gをわずかに超えた203gだが、240gのiPhone 14 Pro Maxとは実に37gもの差がある。“軽くて大きいiPhone”を求めていた人には、うってつけの選択肢といえる。ゲームや映画などのコンテンツを長時間楽しみたい人にとって、この軽さは魅力的だ。
iPhone 14 Plusが加わったことで、ユーザーは画面サイズのためだけにMaxを選択する必要がなくなった。機能面や予算で無印かProかを選び、あとは好きな画面サイズを決めるだけでいいからだ。ただ、2021年のiPhone 13シリーズまでと比べると、無印とProモデルの差が大きくなっているようにも見える。従来路線を継続した無印のiPhone 14に対し、Proモデルはデザインやカメラなどが大きく変わったからだ。
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