パスモとGoogleは9月28日、Androidスマートフォン向け「Google Payアプリ」が交通系ICカード「PASMO(パスモ)」に対応したことを発表した。利用するには、おサイフケータイ(モバイルFeliCa)を搭載するAndroidスマートフォン(Android 6.0以降)、最新のGoogle Payアプリと「おサイフケータイアプリ」が必要となる。
Google PayアプリにおけるPASMOには、以下の機能が搭載されている。モバイルPASMOで発行済みのカードがある場合は、それをひも付けて登録することも可能だ(※1)。
(※1)当該カードをおサイフケータイアプリを介してクラウドサーバに預けている場合は、同アプリを使って事前にダウンロードしておくことを推奨する(ダウンロードしてない場合はGoogle Payアプリから遷移可能)
(※2)Visa/Mastercard/JCB/American Expressブランドのクレジット/デビット/プリペイドカード(一部を除く)
(※3)通学定期券の場合、継続購入前に手続きが必要な場合があります(詳しくは後述)
一方、Google Payアプリで作成したPASMOカードをモバイルPASMOアプリにひも付けることもできる。以下の手続きはモバイルPASMOアプリでないと利用できないので、利用する場合は注意しよう。
(※4)移行できないカードもあります(詳しくは後述)
(※5)モバイルPASMOでは、特定事業者の定期券のみ取り込み/購入できます(詳しくは後述)
(※6)モバイルPASMOの会員情報に「PASMOオートチャージ」対応のクレジットカードを登録すると利用可能です。ただし、そのクレジットカードが「PASMO一体型」の場合はオートチャージ用カードとして登録できません
Google PayのPASMOやモバイルPASMOを利用する場合は、幾つか注意点もある。利用する際は、よく気を付けよう。
JR東日本(東日本旅客鉄道)が提供するGoogle Payの「Suica」や「モバイルSuica」では、比較的新しい機種では1台の端末に複数枚のカードを登録できる(※7)。
それに対して、Google PayのPASMOとモバイルPASMOはどの端末でも1台(1アカウント)につき1枚しか発行できない。AndroidスマホでログインしているGoogleアカウント(メールアドレス)とひも付いたPASMOカードが既にある場合は、当該カードを解約(抹消)しない限り新しいカードを発行できない。
「既にあるリアルPASMOカードをスマホに移して、スマホで新しく発行したPASMOカードと併存させる」という使い方をしたい場合は、iPhoneまたはApple Watchの「Apple Pay」の利用を検討したい。
(※7)複数枚のカードを登録できる機種では、Google PayのPASMO/モバイルPASMOを含めて交通系ICカードを1枚のみ「アクティブ」にできます。アクティブにするカードの選択は、おサイフケータイアプリまたはGoogle Payアプリで行えます
モバイルPASMOアプリを使うと、リアルPASMOカードの残高/定期券情報とPASMOオートチャージの設定を引き継ぐことができる(定期券情報以外は手続き翌日に移行される)。引き継ぎ元のリアルカードは利用できなくなるため、近くのPASMO取扱事業者の窓口に持って行って返却しよう。返却時には、デポジット(預かり金)の500円が返却される。
なお、以下のいずれかに当てはまるリアルPASMOカードは、モバイルPASMOアプリでは移行できない(特記のない限り「記名カード」には定期券を含む)。
モバイルPASMOアプリでは「鉄道」「路線バス」の定期券を1枚ずつ購入できる(都電荒川線と東急世田谷線は「路線バス」扱い)。購入できるのはモバイルPASMO定期券を発売している事業者の「通勤定期券」と大学生/専門学校生以上を対象とする「通学定期券」だが、事業者によっては買えない種類や期間もある。
通学定期券をモバイルPASMOアプリで新規購入、または同アプリまたはGoogle Payアプリで年度をまたいで(※7)継続購入する場合は、事前に通学証明書類の提出が必要です。書類の提出は利用開始日(有効期限日)の14日前から可能で、条件を満たせば画像データ(写真)での提出もできます。詳しくは、パスモのサポートサイトのフローチャートを参照してください。
(※7)継続購入後の新しい有効期限が5月1日以降になる場合
【鉄道定期券】
鉄道定期券は、事業者が対応していれば「二区間定期券(途中駅で分岐する形で2つの発駅または着駅を指定できる定期券)」も購入できる。また、事業者がPASMO/Suica(首都圏)エリアの他事業者との「連絡運輸契約」を締結している場合は、「連絡定期券」も購入できる。モバイルPASMO定期券を発売していないPASMO事業者の駅を発着/経由する経路でも、発売元事業者が参加していればモバイルPASMO定期券として発売可能だ。
モバイルPASMO定期券を発売する鉄道事業者は以下の通り。なお、リアルPASMOカードの定期券とは発売する種類/期間/区間が異なる場合もあるので、希望する区間(経路)を購入できない場合は当該事業者の窓口に問い合わせてほしい。
【路線バス事業者】
路線バス定期券は、主に均一運賃区間用の「全線定期券」と、主に距離(区間)運賃区間用の「金額式定期券」のどちらか(または両方)を取り扱う。事業者によっては「端数日数付き定期券(有効期間を日単位で指定した定期券)」「年度定期券(4月1日から翌年3月31日まで有効な定期券)」「学期定期券(特定学校の1学期間を有効期間とする定期券)」も購入できる。
モバイルPASMO定期券を発売する路線バス事業者は以下の通り。
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