中国の電気自動車メーカーBYDの電気SUV「ATTO 3」(写真:REX/アフロ)

(国際ジャーナリスト・木村正人)

[シャルム・エル・シェイク(エジプト)発]国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)で「解決策の日」の17日、ゼロエミッション車への移行を進めるため、「Accelerating To Zero Coalition(A2Z Coalition:ゼロに向け加速する連合)」が立ち上げられた。ゼロエミッション車への移行を世界的に実現するためのプラットフォームだ。

COP27で発足した「Accelerating To Zero Coalition(ゼロに向け加速する連合)」(17日、筆者撮影)

 1年前の英グラスゴーで開催されたCOP26において、議長国である英国主導のもと、オランダ、カナダ、スウェーデンなどの政府や自治体、自動車メーカーが、2035年までに主要市場で、40年までにグローバル市場でも販売される新車を100%ゼロエミッション車にすることに合意、署名した。今回のA2Z Coalitionの立ち上げはこれをまさに加速させるものだ。

日米独中は署名していないがジワジワ広がる影響力

 今回新たにフランスやスペインなどが参加し、これで214の国や自治体、自動車メーカーが署名したことになる。ただし、日本や米国、中国やドイツなどは署名していない。

 日本は独自に、2035年までに乗用車の新車販売の全てを「電動車」にするという目標を立てている。この「電動車」にはガソリンを燃料にするハイブリッド車も含まれている。日本が世界に先行するハイブリッドまでも35年以降に販売できないとなると、国内メーカーへの影響があまりに大きいからだ。

 だがA2Z Coalitionにおいて、日本は、米国、ドイツ、韓国、英国などとともに「ドナー国」として、途上国のゼロエミション化に向けた支援にあたることも今回新たに決定した。

 英国が議長国を務めたCOP26では署名した130の国やパートナーが「ゼロエミッション車宣言」を発表した。米ブルームバーグNEF(ニューエナジーファイナンス)の報告書によると、電気自動車(EV)の販売台数は昨年の660万台から1000万台以上に達する勢いだ。今年上半期の世界の新車販売台数のうち13.2%がEVで、昨年1年を通した8.7%から上昇した。

 このうち72%がバッテリー電気自動車、28%がプラグインハイブリッド車。世界のリチウムイオン電池の製造能力も昨年から38%も増加した。これで今年、1日当たり総需要の3.8%に当たる約170万バレルの石油消費を回避できる。また、英国と米国はインドと協力してゼロエミッション車の目標達成を実現するためテーラーメイドの支援を提供する。